気づけばCB400SSというバイクに乗り続けて10年が経ちました。
特に大事に乗り続けてきたということもなく、いつも自分と有り続けていく存在として傍らに置きたかった。
バイクが趣味であると自他ともに認められうる証として一つのバイクに拘り続けた結果10年という月日が過ぎたということになります。
単気筒車「CB400SS」に乗り始めた理由
CB400SSを購入したのは震災を経験した2011年のことでした。当時所有していたCB1000SFの車検が迫ってきたことと、タイヤの磨耗が進んでいて交換費用の見積額がバイクのそれではなかったことに少しの不満がありました。
東日本大震災では、大きな揺れ、断水と停電、他にも少しの不自由を経験したものの、特に重い被災を経験したわけではありませんが、当時メディアから伝えられた津波のニュースは衝撃的でした。
自分のやりたいコトに正直にならなければならない。
当時は、誰もがそう思ったはずです。
もちろん社会生活を続ける上で、なりふり構わずという訳にもいきません。
大好きなコトは考えてすぐ見つかるものではないかもしれません。探し続けることが人生を豊かにしてくれるとも言えるでしょう。ただ、明日は誰にも保証されないことを私たちに突きつけたのが2011年の震災です。
答えを探している余裕はなく、当時も生活の中にあったのはバイクでした。
そのとき、目の前にあったビックワン(CB1000SF)を見つめていると、このバイクは何かが違うという思いに駆られるようになります。
自分には、もっと軽くフットワークの良いバイクが適している。パワーは過剰でなくて良いし低速でもエンジンの動きを鼓動として感じれるバイクが楽しいはずだ。
自分が本当に楽しめる何かはフットワークの良いバイクに乗りながら考えればよいだろう。
これが当時私が選んだ答えでした。
特に400ccにこだわった訳ではありませんが、SR500は数がないことSRX600も同じ理由により候補から外れ、250cc以下では物足りないと感じました。
その結果、軽いバイクCB400SSと過ごす生活が始まることになり今に至ります。
10年間でかかった維持費
400ccのバイクを10年乗り続けて、それに掛かった燃料費、任意保険を除いた費用はいかほどだったかといいますと、正確な数字は把握出来ていませんが、おおよそ25~30万円の間ではないかと思います。
内訳は、主に車検で約12万円ほど、その他にはタイヤ代(タイヤチューブを含む)、ブレーキ関係のパーツと消耗品、他にはカスタムパーツを買い込んでいますがその辺は維持費とは違った意味合いが強そうです。
維持費の他に、任意保険を足せば10年だと結構な額になりますが、大型のリッターバイクを乗り続けていた場合と比較すれば、だいぶ押さえられているでしょう。
CB400SSはオイル交換をマメにやっていたせいか、エンジンへの大きなトラブルがなく済んでいるのは嬉しいところ。
そのせいで、不思議なほどバイク屋にはお世話になっていないので、たまに顔を出すのが気まずかったりします。
よく話題になる250ccとの維持費の比較ですが、10年で車検に12万かかったから、その分が250と400の差かと勘違いされがちですが、12万円(10年間ユーザー車検)には自賠責保険料も含まれているので、その辺を考えると250ccと400ccで維持費の差はそれほど生じないことになります。
もっとも一般論のとおり、250ccは車検がない分メンテナンスが疎かになるデメリットを含んでいます。
バイクは一過性の趣味か
人はよく人生の節目にバイクを手放します。
良いでしょう。一旦手放してみないとバイクの楽しさに目覚めることはないかもしれません。
ただし、何度かバイクを手放すならその際に考えたいのは、将来また乗りたい気持ちがあるならナンバーを一度返却し車両は持っておくという手段があります。
バイクを置く場所に困らなければ、定期的にエンジンをかけてやることで車体は長期間維持できるはずです。後でバイクに乗りたいときに費用的に押さえることができます。
また乗りたいと思ってから購入資金を調達し新規に保険に入るとなると、それは錆び付いた機械の歯車に油を差し動きを復活させる事に似て正常な動作を回復させるのに結構な労力を伴うことになります。
バイクというものは、軽い気持ちで一度手放してしまうと、その後に趣味として取り戻すにはハードルが高い部類のものです。
私のCBもこの10年の間に乗らない期間が少しばかりありました。正直、売りに出して新しい趣味の資金にしようかと考えたこともないわけではありません。
しかし、10年の間にバイクの代わりになるほど刺激的な趣味、バイクを手放すことを決断できるほど魅力的なコトを自分は探し出せていませんし、もしかしたら、そんなものは存在しないかもしれません。
これからもバイクがある生活を
いつ何が起こるか分からないが、絶えず何かを探し求めたいのが人の人生です。
立ち止まることなく歩き続けること。走り続けていることが大事。
バイクは、そんな迷える人に相応しいアクティブな乗り物です。
思い立ったとに好きな場所へ気軽に行ける手段が常にあることは人を安心させてくれるでしょう。
あのとき選んだCB400SSは、乗るときに強い気合いは必要なく(キックは要る)軽快に走り出せます。空冷エンジンの乾いた力強さと、心地良い振動を乗り手に伝えながら。
今振り返れば、10年前に私がした決断はバイクという趣味を越えて気持ちに豊かさをもたらしてくれました。
軽いバイクのアシストもあって、走り続けることができ、私生活でもいろんな意味で「歩み」を続けることを継続できています。
バイクのある生活は当分の間続くことでしょう。
そして今でも、「気分は単気筒」。
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