うっかり冬眠させてしまったバイクを目覚めさせる【セルなしCB400SS】

CB400SS春の目覚め

桜が満開を迎えた4月の上旬、昨年末に乗ったまま冬の間にうっかり冬眠させてしまったCB400SSはそのままでは目を覚ましてくれないのは今までの経験から想像がつくところです。

そこで、いつも通りの燃料リフレッシュと対策済みである外部電源への接続手段を使って始動を試みることにします。

メインキーを回して状態を確認

エンジンがONでもNランプが点灯しない

点灯しないNランプ

作業に入る前に念のためメインキーを回して状態を確認しますが緑色のニュートラルランプは全く点灯しない状態でした。

前回始動させたのが12月ですから、3か月以上エンジンを始動させていなかったことになります。

来月には納車から15年目に入るCB400SSは、冬の間にこれだけ長い期間放置したのは初めてですが今までの車両の状態から、それほど手こずることなく始動してくれるのではと少しばかり期待もしています。

キャブレターから古いガソリンを抜き取る

3か月以上乗らずに過ごした古いタイプのバイクはキャブレターの中に燃焼しづらくなったガソリンが入っているのでそれを抜いてやります。

引火性の高いガソリンを扱うため最初に身体から静電気を除去することにします。

エアコン室外機を触る

まずはアース線(緑色の接地線)が正しく接続されているエアコンの室外機に触れてみることに。

バイクのサイドスタンドも触る

さらに念のため地面に立てたバイクのサイドスタンドにもタッチ。

ガソリンを抜く

キャブレターの下にあるネジを緩めて車体の下からガソリンを少量排出します。

キャブレターから抜き取ったガソリンの色

今回は画像に残しておきたかったので透明のガラス瓶に注いでいますが、容量の小さいガソリン専用の携行缶などがあれば最適かと思います。

抜き取ったガソリンの色は成分の蒸発により色が濃くなったかのように見えますが、普段は色の濃さを確認したことがないのでこんなものかもしれません。

この古いガソリンが抜けた段階で軽くキックアームを蹴り下ろして新鮮な混合気を予めシリンダー内に送り込んでおくことにします。

なお、抜き取ったガソリンは劣化が進んで燃えにくいですが、少量を適正に処分といういのも難しいためタンクに戻しています。

充電用コネクタを12Vのポータブル電源に接続

始動のためにエンジンに新鮮な燃料を送る手段ができたので次は電圧が低下したバッテリーへの対応です。

接続したポータブルバッテリー

12V仕様の古いポータブルバッテリー

もともとセルスターターを搭載していないバイク(CB400SSの前期型)なので、必ずバッテリーを新調しなければ走れないわけではありませんが、このバイクはバッテリーが上がるとキックでもエンジンがかかりづらくなってしまうのはこれまでの経験からわかっています。

外部電源へ接続

今回は、以前にバッテリー充電用に取り付けていたコネクターを使用してポータブルバッテリーから始動のための電圧を補ってやることにしました。

点灯したニュートラルランプ

接続を済ませてメインスイッチをONにすると、緑色のニュートラルランプが微かに点灯するのを確認できました。

電圧が安定したらキックアームを蹴り下ろす

これで、エンジンを始動させるのに必要な新鮮な燃料と安定した電圧(イグニッションコイルへの電圧)が確保できたので、あとはキックアームを力強く蹴るだけです。

対策はできたとは言え、3か月を超える期間の未走行は自分としては未体験領域です。また汗だく必至の鬼キック連発を覚悟にキックをし始めます。

キック始動を開始

1回目、まったく感触なし。

2回目のキックも始動の予兆のようなものが何も感じられない空振り状態。

それでも、やれることはやり切っている自信とともに蹴った3回目のキックでスムーズにエンジンが始動し始めました。

この日の気温は20℃近くあったので、軽く暖気を済ませたあとに近くを試走してみましたが走行に問題はない模様。

あとは天候が良い日に時間を見つけて距離を走り、できるだけ新しいガソリンを継ぎ足してやることにします。

そんなわけで、この春も無事に始動を果たせたCB400SSは走行する機会が減る冬には本来ならガソリンを抜いてキャブレターが乾燥した状態で保管できれば理想的ですが、そうすると保管の期間中に我慢できず走行させるとその都度同じ対応を繰り返さなければならないので面倒です。

車両を良好な状態に保ったまま冬を乗り越えることはライダーにとって永遠のテーマの一つなのかもしれません。

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