中古で納車されてから11年を迎えるCB400SS。初年度登録からはかれこれ15年ほどになるでしょうか。
昨年からシートの破れが見過ごせぬほど進行し補修シートでは効果が期待できない有り様でした。
古い純正シートを剥がす
ここまで進行してしまったら、張り替えを業者へ頼むなり別なシートに交換するなりしなくては、乗車の際に様々な問題が発生しそうです。
この破れたシート対策、少し迷いましたがDIYでの張り替えに挑戦することしました。
使い込んで痛んだ古いシートを剥がしにかかります。
純正シート生地の剥がし方は、打ち込まれたタッカーの針をマイナスドライバーの先でコジッて片側を浮かせてからペンチで引き抜きます。
この打ち込まれた針の数の多いこと、ざっと数えてみたら65本打たれていました。
古いシートの表面を剥がすと中のウレタンは茶色に変色していました。
アンコ抜きを試みる
せっかくシートを剥がしたところなので、更に自分の身の丈に見合ったライディングポジションを求めアンコ抜きにかかります。
座面を約20mmほど削り取ったあと、低反発シートの厚さ分をさらに10mmほど削ぎ落としました。
低反発シートは10mmの厚さのものを張り付けました。薄手のものなので効果はあまり期待できそうにありませんが、せっかくアンコ抜きをするので「おまじない」程度に済ませておきます。
下地が整ったところで、低反発シートと元のクッションの境目が表面に浮き出ないようにガムテープで境目を塞いだ後に合皮生地を張り込みます。
新しい合皮生地をキッチリ延ばしながらタッカーを打ち込めば良いのかと心得ていましたが、シワを少なく延ばすのに結構な力が居るのとタッカーに用いた針(ステープル)がシートの下地に刺さらず苦戦。
作業を一度中断し、タッカーの針だけを別途購入し直し、作業を屋内に移したあとタッカーを打ち込む下地をドライヤーで暖めながら打ち込むことに。
合皮を強く引っ張るためにはプライヤーでツマミながらタッカーで針を打ち込みました。
仕上がったのがこちらのシートです。
シート張りは手間がかかりそうな作業とは思っていましたが、想像を超える難易度でした。
タッカーで針を打ち込む際の針の向きや下地を貫通させてしまわないかについても充分注意が必要です。
通常バイクのメンテナンスは機械を扱う技術的な作業ですが、シートの張り替えは工作的なセンスを要するので難しい作業と言えるでしょう。
張り替えに用意したもの
今回の作業で用意したものは、バイク用のものではない日用品向けに販売されていた汎用の合皮生地と低反発シート、タッカー、鋸など。元のウレタンを削るのは鋸を使い、表面の仕上げには下ろし金を使いました。
タッカーと下ろし金は百均のものを使いました。タッカーの針も当初は百均ものもを用意しましたが、針が曲がって全く打ち込めなかったので途中でMAXの針に変更し下地の樹脂を暖めての作業になりました。
低反発シートの接着には、接着剤で有名な某G○○を使っていますが、この接着剤は発泡スチロールなどの接着には向かないので、別に素材に見合ったものを選定する必要があるようです。
また、合皮生地そのものもバイク用ではなかったので屋外環境にどれだけ耐久性があるかは今後の様子を見る必要があります。
シート張り替え後の乗り心地
アンコ抜きをしたCBのシートは20mmほど低くなっているはずですが、足付き性を向上させるには、シートの両脇も削るなどのほうが効果的だったようです。
乗り心地は悪くはなっていないので、しばらくはこのスタイルのままで乗り続けようと思います。
バイクのシート表面に破れがみられるのは、新車時から12~13年過ぎた後でしょうか。長持ちをさせるには、保管の際にはカバーをかけるのが汚れの予防と共に有効かと考えます。
バイクの整備は作業を行う箇所ごとに、この程度なら次回も自分でやってみようと判断したりしますが、今回のシート張り替えだけは工作的なセンスを要するため1、2度経験を積んだだけで次回も上手く仕上がるかは微妙なところです。
あと、純正の皮を用意できないと見た目の完成度は格段に落ちるのは覚悟しなければなりません。
その他、アンコ抜きがなければ失敗といっても生地が弛むだけなので最悪生地を買い直して張り直しなどが苦にならない余裕のある方は試してみても良いのではないでしょうか。
※とりあえずコレで初回の夏は過ごせました。
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