これまで、エイプ50のブレーキ回りメンテナンスはタイヤ交換の際に内部を簡単に掃除をする程度でした。
ライニングに極端な摩耗も見受けられず、10年以上乗り続けていて前後のブレーキで部品の交換歴がありません。
手間がかからないという意味では優秀な車両ですが、この良好な状態の維持と旧車への点検整備という意味でリアブレーキのブレーキシューを新品に交換することにしました。
リアブレーキの取り外し
交換作業に入る前にライニングの摩耗を外側から知るための目安となるインジケーターをチェックします。
画像の錆が目立つ金具がインジケーターで、ブレーキの摩耗の摩耗に伴いブレーキロッドの先端にある調整ナットを締めこむことによって、この先端部分が左に見える三角マークに近づく仕組みです。
まだまだ交換時期ではなさそうですが分解して整備することにします。
最初に車体からホイールを外すためジャッキアップが必要ですが、ここでは左右のステップ下にリジッドラックを入れて後輪を浮かせています。
ブレーキの上側にあるロッドとアームを固定しているナットを外し、下側にあるストッパー用のボルトとナットも割ピンを外して取り外します。
つづいてアクスルシャフトのナットを緩めてホイールとブレーキを外します。
この状態でブレーキとアームの取り付け位置を確認しておくことにしました。
内側はブレーキダストで汚れていますが、予想通りライニングの摩耗はまだ少なめでした。ドラムブレーキのブレーキシューは割と長持ちするし原付だと通勤などで距離を走らないと減りは少ないかもしれません。
続いて、シューについているスプリングを外します。画像ではマイナスドライバーを使っていますが紛失やけが防止のため先の細い専用工具を使うことをおすすめします。
新品のブレーキシュー
交換用に使うパーツはキタコから販売されている「SH-5N」という型番のブレーキシュー。
車両の年式によっては適合品番が異なるかもしれませんので購入の際は事前にメーカーサイトなどを調べておく必要があります。
内容はブレーキシュー二つにスプリングも付属しています。
ライニングの表面には斜めに細い溝が彫られていて、普段乗りの原付用としては効きすぎても良くないのではと心配になりますが今回の後輪側への装着では問題なく感じました。
使用前にライニングの側面にノギスを当ててみましたが約3mmと新品にしてはボリュームが少ないようですが、そもそも純正品の消耗が遅いことから十分とも判断できます。
パーツを組付けてホイールを戻す
新品のシューを取り付ける前にブレーキの内側をパーツクリーナーで洗浄して、シューの上側(カムが当たる部分)と下側の軸にあたる部分にブレーキグリースを塗っています。
それと、分解のときには気づかなかったのですがブレーキの外側にフェルト材のようなものでできたダストシールが入る場所があるので忘れずに元通りに戻します。
画像では、茶色に汚れていますが元の色は白です。
この穴に内側からブレーキのカム軸を差し込んでからインジケーターを取り付けますが、軸もインジケーターも簡単に位置合わせができるよう一部の山と切り込みに形状のことなる合わせポイントが設けられているのでそこに嵌め込みます。
組みあがったブレーキを見てみるとブレーキシュー本体の形状が純正品と比べて微妙に違うのが分かります。
あとは外したときと逆の手順でホイールに組み込んでから車体に戻します。
アクスルシャフトを締め付けてからロッドのナットも元通りに締め、固定ボルトには新品の割ピンを差し込んで外向きに折り曲げます。
割ピンは2×15サイズのものを使いましたが純正品より少し長かったかもしれません。
作業が終了したら走りに出る前にペダルを踏んで効き具合と踏みしろが適正かなどをチェックしエンジンをかけてブレーキランプが点灯するかも確認します。
気になる交換後のブレーキの利き具合ですが、心配していたほど特別な効果はなく純正品の時と同じフィーリングでブレーキペダルを踏んでも大丈夫でした。
作業時のエイプの走行距離は約19270km、バイクの整備としては性能も外観も特に変化を感じにくいものでしたがブレーキ回りのパーツを新品に交換できたことでまた一つ愛着がました感じがしています。
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