男のバイクは空冷単気筒https://bike.danman.jp他に何があると言うのかWed, 02 Jul 2025 02:23:17 +0000jahourly1https://bike.danman.jp/wp-content/uploads/2022/04/cropped-single-engine-32x32.jpg男のバイクは空冷単気筒https://bike.danman.jp3232 慣れてるし大丈夫「なめてかかったユーザー車検」で痛いミス【7度目での失敗談】https://bike.danman.jp/mistakes-in-vehicle-inspection/Wed, 02 Jul 2025 02:23:43 +0000https://bike.danman.jp/?p=2557

前回の投稿に書いていたとおり、CB400SSは先月7回目となる継続検査に合格してきました。 このバイクは、初回の登録を除いて車検はすべてユーザー車検(うち1回は構造変更検査)です。 回数も7回目となると、「もう中級レベル ... ]]>

前回の投稿に書いていたとおり、CB400SSは先月7回目となる継続検査に合格してきました。

このバイクは、初回の登録を除いて車検はすべてユーザー車検(うち1回は構造変更検査)です。

回数も7回目となると、「もう中級レベルくらいにはなれたんじゃね?」という慢心があったのは確かで、これが災いしたのか1回で検査を通すことができず、場内を3周するという初めての体験をしてきました。

今回は、自分もユーザー車検に挑戦してみたいと思っている方に役立ちそうな、軽い失敗談についての話になります。

予約から受付まではスムーズにクリア

ユーザー車検を受けるには、ネットの予約システムから車検の予約を入れなければなりません。

カードタイプの車検証

この車検予約も、最近では車検証にある二次元コードを読み込んで手続きすることができ、2年ごとの予約だと毎回「何か進化しているのでは」と思う場面が少なくありません。

予約が済んだら、バイク店に出向いて次の車検の有効期間分(プラス1ヶ月程度の余裕)の自賠責保険に加入を済ませます。

車検場ではなくバイク屋さんで加入しておくのは理由があって、私にとってはユーザー車検の行程のうち最も重要な部分でもあります。

そう、バイクの整備は一人でできると過信しないこと。プロに対して敬意を払う儀式のようなものとでも説明しておきましょう。

予約と自賠責の加入を終え、自分で点検整備を済ませたら、あとは当日の受付です。

たまに利用しているテスター屋は、この日、天候が良くなさそうだったので省略してしまいました(結果的に大丈夫でしたが)。

受付は、陸運局の建物内にある端末に予約でも使った二次元コードをかざして、そのとき忘れずにOCR申請書と自動車重量税納付書にもチェックを入れ、用紙を印刷すれば自分で書き込む箇所は少なくて済むのを、2年前の車検で経験済みです。

陸運支局の車検受付端末

これを知っているか知らないかの差は大きく、要領の良い方なら用紙2枚(全部で3枚)を印刷することの便利さが分かるのではと思います。

そんなことで、受付を済ませたら書類の作成にはそれほど時間はかからずに済みます。あとは必要な印紙を貼り付けて検査場に進むことができます。ただ、今回はこの印紙を貼る過程でミス(間違えたのは自動車審査証紙)をしてしまいました。

証紙の貼り間違いで調子が狂う?結果は検査場を3周

何を間違えたかというと、重量税の用紙に検査用の証紙を貼ってしまったんですね。

証紙を貼り間違える

貼り間違えた自動車審査証紙

この軽い間違いは検査レーンに入って検査官に書類をチェックしてもらうまで誰にも指摘されず、その間に証紙の糊がすっかり乾いてしまいます。

貼り間違えのまま検査場に入る

間違いに気づくことなく、もうベテランの域だから大丈夫と高をくくって入場した検査場で、対面した検査官に案の定、「自動車審査証紙」の貼り間違いを指摘されることになります。

これ、どうなったかというと、ひとまず検査を受けることなく場所を移動して、間違えて貼った証紙を張り直すことになりました。

自動車検査票の証紙を貼るところ

貼り直しの詳しい手順については、車検場ごとに対応が違うと思うので省略しますが、印紙類を購入してから窓口の人が説明してくれた通りに貼ったつもりが、間違えてしまっていました。

このあと、修正された完璧な書類を持って再び検査場に並びなおすことになります(場内2周目)。

思わぬミスから調子が狂いエンスト

書類のミスが修正されたことで、今度はいつも通りの手順でウインカーやホーン、ブレーキランプなどの点検を済ませてから、排ガス検査へ移ります。

排ガス検査も無事に済ませてから、検査の用紙を機械に読み込ませます。用紙に合否を印字させるタイミングは、この排ガス検査と最後の光軸検査が終わってからの2回です(検査場によって違いがあるかもしれません)。

続いてのスピードメーターの検査と前後ブレーキの検査は調子よくクリアできたのですが、次の光軸検査のポジションにバイクを移動させるタイミングで、まさかのエンストをしてしまいます。

以前にもここで何回か取り上げさせていただいた話ですが、私が乗っているセルなしタイプのCB400SSは、車検場でエンジンが止まると、すぐには再始動できません。

これはCB400SSという車種が車検だとエンジンがかからないということではなく、セルなしキックオンリーの始動方式は、なぜか肝心なときにエンジンがすぐかからないものなんです。

たとえば車検以外でも、右折車線での信号待ちなどでエンストしたら、交差点はバイクを押して通過した方が早いことが当たり前です。

逆に、他人の前でカッコつけたい、キック一発を決め込みたいという、自分以外の人にはどうでも良い場面では、なぜか一発でかかります。

そんなわけで、最後の光軸検査を前にまさかのエンストを決め込んだ我がCB400SSは、エンジンの再始動は端から諦めやり過ごすことに。

これも実際に乗っているユーザーでないと分からないと思いますが、初期型のセルなしCB400SSはバッテリーが小さいことが影響してか、バッテリーの消耗が早いです。

それに加え、バッテリーも新しくはないので、エンストした直後から徐々にヘッドライトの光量が減少し始めます。

そして、事前に分かっていたことですが光軸検査って、光軸がピッタリ合っていても光量が足りないと不合格になります。たぶん数値的な規定値があるのではないかと思います。

事前にバッテリーを充電して臨んだのですが、結果は初めての検査不合格になってしまいました。

光軸検査不合格で場内3周目にトライ

実は、検査不合格の「×」のマークを拝むことになったのは、この7回目のユーザー車検が初めてということになります。

ほぼ自前の整備で6回の一発合格を繰り返して初の事態ですが、「これって、これまでの整備・・・」と自慢したいところですが、我慢します。

原因が分かっているので、場外に出てからエンジンを始動させ(なぜか屋外だと難なく始動できた)もう一度入り口に並びます。

この不合格で、その日のうちに再受験というのも7回目にして初めてになります。

昔いろいろ調べたときに知識としては分かっていたのですが、不合格になってからの再受験は、その不合格の項目だけテスターにかけるのですが、その前に検査官から車体番号を必ずチェックされることになります。

そんなことを知っていたにもかかわらず、いざ初めての再検査となると、頭からは持ってた予備知識がすっぽり抜けてしまいました。

慣れない対応をしたあと、今度はエンストしないよう慎重に光軸検査の場所までバイクを移動させ、再検査を受けます。

バッテリーが完全に上がっているわけではないので、今度は光軸検査も合格できて無事検査終了です。

このような想定外のトラブルはあったのですが、結果として再検査の受け方ってこうするんだねというのが分かりました。

この車検場での想定外は以前にも、継続検査で受けようとしたらハンドルを変えていたため構造変更検査だったという経験をしていて、今回はそのときより慌ててしまいました。

なお、ハンドルをセパハンにカスタムしているバイクなど、ハンドルロックができないとアウトなので、対策(いろいろあるらしい)は必須ですのでご注意を。

痛恨ミスのユーザー車検から学んだことと注意点

今回のユーザー車検では、「もう慣れたから大丈夫」という慢心が思わぬミスを招くことを痛感しました。特に、印紙類の貼り間違いのような些細なミスでも、時間も手間もかかってしまい、検査全体の流れが大きく狂ってしまうことを改めて学びました。

また、セルなしのバイクなど車種によってはエンストが大きなリスクになることも再認識。

検査中のエンストは、タイミングによってはバッテリーの消耗や光軸検査への影響など、連鎖的にトラブルを引き起こす可能性があります。

ずばり、テスターにタイヤを載せたまま思い切りキックをするのは無理かと・・。

今回の経験から、自分が感じた注意点をまとめると、以下の通りです。

  • どれだけ慣れていても、毎回手順をしっかり確認すること
  • 印紙(証紙)の貼り方など基本的な作業ほど油断しない
  • セルなし車両の場合は、車検中のエンスト回避に細心の注意をはらうこと
  • バッテリーはできる限り新しいものを用意するか、十分に充電して臨む
  • 再検査時の流れも頭に入れておくと慌てずに済む
  • カスタムしている場合は、構造変更が必要ないか事前に確認すること

今回の体験は、自分にとって大きな教訓になりました。同じようにユーザー車検に挑戦する方には、ぜひ自分のように「慣れたから大丈夫」となめてかからず、慎重に準備をしてほしいと思います。

車検は2年で一度のことで次の継続検査を迎える頃には、意識してノウハウを身に着けなおさないと初心者に戻ってしまって、なかなか中級にレベルアップとかは難しいとも思います。

ユーザー車検の達人がいるとすれば、家族の車まで自分で車検に持っていく筋金入りの車検好きとかそんな人ではないでしょうか。

失敗を経験したからこそ言えることですが、ユーザー車検は自分のバイクの状態をよく知る貴重な機会でもあります。ただ経費を節約するための施策に終わらせることなく、受ける恩恵に相応な安全かつ確実な事前の準備や整備に時間を割いてあげるのも重要なことでしょう。

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ユーザー車検に合格したのに、窓口で古い車検証をそのまま返された衝撃https://bike.danman.jp/vehicle-inspection-old-paper-returned/Sun, 29 Jun 2025 02:23:04 +0000https://bike.danman.jp/?p=2555

もう何度目でしょう、今回の車検で「自分はバイクのユーザー車検で何かを目指している人なのか?」と、ふと考える瞬間があった一方で、実際には正確な情報を把握しきれていない部分も多々あることを思い知らされる体験をしてきました。 ... ]]>

もう何度目でしょう、今回の車検で「自分はバイクのユーザー車検で何かを目指している人なのか?」と、ふと考える瞬間があった一方で、実際には正確な情報を把握しきれていない部分も多々あることを思い知らされる体験をしてきました。

「ユーザー車検に合格したのに、車検証が前回とまったく同じカードのままだった…」。こんな経験をされた方はいませんか?

私自身も、2023年の継続検査でカード型の車検証を受け取っていて、そして今回(2025年)も引き続きユーザー車検を受けたところ、手続きが終わってから手渡されたのはまったく同じ(折り目もそのままな)カード型の車検証でした。

「え?新しいものがもらえるんじゃないの?」と一瞬戸惑いましたが、実はこれは2023年から始まった車検証の新制度による正式な運用。

ICチップ付きカードで継続検査を受ける

2023年1月4日より、自動車(オートバイも)の車検証は全国的に「ICチップ付きのカード型」へと切り替わりました。これまでのA4サイズの紙から、カードサイズの新しい形に変わり、所有者情報や車両情報の一部はICチップに格納されるようになっています。

この変更の背景には、行政手続きのデジタル化や、車検証情報の一元管理といった目的があるとのこと。

使用者としては、持ち運びしやすくなった反面、表示情報が少なくなったことや、閲覧には専用アプリが必要になったなど、戸惑いの声も少なくないと聞きます。

制度が始まって約2年半、この新しいタイプの車検証が継続検査の際に提示されるケースが今年に入ってから増え続けているはず。

私が受けた今回のユーザー車検がまさにそうでしたが、当初は理解していたはずのカード型車検証の継続利用は頭からすっぽり抜けていました。

継続検査では車検証は更新されない?

従来の制度により、「車検に合格すれば新しい車検証が発行される」という既成概念のほうが頭にのこったまま。

実際、制度変更前までは、車検のたびに新しい車検証が交付されていました。しかし、2025年以降に2年目で受ける継続検査では事情が異なります。(新車3年目ではA4が残っていることが多いのでカード型に切り替え)

新制度では、車検証に記載された情報に変更がない場合、再発行はされません。つまり、継続検査を通しただけでは、すでに持っているカード型車検証がそのまま使われるという仕組みなのです。

たとえば名義変更や住所変更、構造変更などの手続きを伴えば新しいカード型が交付されますが、そうした変更がない限り、カード自体は再発行されず、手元に戻ってくるのは以前と同じ車検証です。

車検後でも日付が変わらない車検証

折り目やしわがそのままで戻ってきた車検証

ちなみに、受け取る際にあった「記載内容に間違いがないか確認してください」みたいなやりとりもなくなって窓口の担当者さんのセリフは減った模様です。

カード型をすでに持っている人は「そのまま使う」仕組み

今回のように、すでにカード型車検証を所有していた場合、継続検査を受けても新しいものにはなりません。

長いこと、同じバイクを所有している私のようなケースの他、2023年以降に中古車を購入して初回の継続検査を迎えた人にとっても、ちょうど該当するタイミングです。

実際に車検証に関する手続き上の不備がないにもかかわらず、同じカードが戻ってきたことに違和感や驚きを持つ人は少なくないのではと思いますがどうなのでしょう。

ユーザー車検って、直前に整備や自賠責保険の手配、車検予約システムなどで「頭でっかち」になりがちなので私だけじゃないと思いたいのですが・・・。

逆に、ディーラーやバイク屋さんに車検を頼むなら制度の詳しい説明を受ける機会があるので、「新しいカードじゃないのはなぜ?」という疑問を持つことは少ないはずです。

ユーザー車検はケアレスミスとの戦い?

2023年から導入されたICカード型車検証は、「車検ごとに新しいものがもらえる」という従来の感覚を覆すものでした。

特に、すでにカード型を持っていた人にとっては、「車検を受けたのに何も変わらない」ことが意外に思えるかもしれませんが、これが新しい標準化されたシステムであり今後の常識。

そんなわけで7回目のユーザー車検を受けてきた私は、ことユーザー車検という分野ではまだまだ何者にもなれていない事実を正面から突き付けられた衝撃的な事案でした。

この車検証についての話の他に、気のゆるみによって検査場を3周しちゃったなんてことも今回やらかしてしまってますので、その辺についても近いうちに内容の報告ができたらと考えています。

なお、この先「大きなA4サイズの車検証」は(新車3年目の車検でも)すべて回収される期間に入っているので、珍しいから残しておきたい奇特な思考の方は車検を切らして税金を納め続けるしかなさそうで、その辺り別な策がないのかちょっと気になってます(興味津々)。

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空冷単気筒が現存する陰でひっそり途絶えつつあるキックアームhttps://bike.danman.jp/cease-kickstart-only/Sun, 25 May 2025 02:23:24 +0000https://bike.danman.jp/?p=2547

国産バイクの新車には、ほぼ装備されることがなくなったキックスターターという始動方式。 セルフスターターによるエンジンの始動が当たり前になった現在で、ひっそりと途絶えつつあるのがキックアーム(またはキックペダル)と呼ばれる ... ]]>

国産バイクの新車には、ほぼ装備されることがなくなったキックスターターという始動方式。

セルフスターターによるエンジンの始動が当たり前になった現在で、ひっそりと途絶えつつあるのがキックアーム(またはキックペダル)と呼ばれるパーツではないでしょうか。

キックアームを備えた現行モデル

GB400TTのキックスターター

すべて調べ上げたわけではありませんが、国内向けに生産されるバイクの現行モデルでキックアームを備えているのはCT125ハンターカブかスーパーカブ110くらいではないでしょうか。

これ以外はあったとしても公道走行不可な車両である可能性が高いかと思います。

すでに気づいていた方もいらっしゃると思いますが、SRが新車として販売されず50ccの原付バイクも新しいモデルが出ないということは、この先、キックアームがこの世から徐々に姿を消していく方向にあることを意味しています。

スーパーカブC125の右側

C125にはキックスターターがない

ちなみに、スーパーカブC125にもキックアームはなくてセルフスタートだけの始動方式で、セル・キック併用なのはスーパーカブ110(50)。スーパーカブC125は、キックアームが排除された以外に全体的なフォルムや装備がモダンに進化しているのが特徴的です。

海外の有名どころな単気筒モデルをみてもロイヤルエンフィールドの最新モデルでは「空冷単気筒」のスタイルは保てているもののキックアームはなくなっています。これはGB350と似たような感じです。

また、近年ちらほら話題を目にする50年ぶりに復活したBSAゴールドスターは排気量が嬉しい650ccでも冷却方式は水冷になってしまって、やはりキックアームは装備されていません。

全体的なスタイルもなんだか「ずんぐりむっくり」で重そうです。

SR400の生産終了が大きく影響か

50cc原付バイク

セルフスターターを装備しないキックスタートオンリーというニッチな視点で語るなら、そうしたジャンルはヤマハSR400の生産終了をもって現行モデルがなくなったと考えていいようです。

キックオンリーというスタート方式のバイクには原付(カブ)があるよねと思っていたら、スーパーカブ50もセルが併用して装備されるようになってからだいぶ年数がたち今では50ccモデルそのものが新車としてはなくなりつつある状況。

その点を振り返ると、キックスタートのバイクにはSRがあると言われていた当時に、SRがキックオンリースタートの最後の砦だったようです。

どうなんでしょう。こんな風に認識しているバイク乗りは私だけではないと思います。SR400が復活しただとか、今度のファイナルエディションは本当の最後になりそうだとかSRだけは大々的に報道されるのに対し、他のキックアームを装備した小排気量の車種はいつ消えたのかすら知らないし分からないという方が大勢ではと思います。

そんな空冷単気筒の絶対王者だったSRが新車として入手が難しくなる一方、他に目を向けてみたらキックアームが装備されているバイクにはスーパーカブ110やハンターカブしかなかったというのが現状でしょう。

バイクの象徴的イメージでもあったキックアーム

キックスターターの文字

古くからの名車として知られるカワサキの750RSやホンダのCB70Fourなどは、大型バイクでしかも4気筒でありながらキックアームが装備されていました。もちろんヨンフォアにもキックアームはあり。

その後にナナハンキラーと言われたRZ350(250)はキックスタートで、それらから進化したTZR250やホンダが出したNSR250、スズキのRG250(400)γなどの2スト車両は選ぼうとするとほぼキックスタートだった記憶があります。

2000年代に入ってからブームとなったTW200はセル・キック併用のスタート方式で扱いやすい200ccというのは、ライトな趣向のバイク乗りには理想的なスタイルのバイクであったことでしょう。

そして、SR400(500)以外のバイク(中型クラス)でキックアームが実用的に装備されたのは、このヤマハTW200(225)や同クラスのバイクが最後だったかのように思います。

というのも、TW200(225)にはキックアームがありましたがホンダが対抗して出したFTRはセルのみのスタート方式。わかりやすいのはスズキのグラストラッカーで、このバイクはキックの有無が型番によって区別されていて最終的にFI化されたモデルではセルのみに統一されたという経過があるようです。

キックアームを持つセル・キック併用のバイクが少なくなってきている理由にはコストの削減があるとききますが、それ以外にも最近のインジェクション化されたバイクではバッテリーが上がってしまうとキックでの始動性が悪くなるなどの影響もあってのことかと思います。

これは燃料の噴射に電子制御を使うのですから、キックアームを蹴り下ろすタイミングで始動に充分な電圧を確保できている必要があることを考えれば当然に想像がつきます。

このように、バイクらしさを持つバイクにはもともと付いていたキックアームは始動性の良い2ストエンジンや、単気筒エンジンに限定して採用されるようになったあと、コストカットなど様々な事情により装備されなくなってしまい現行として残るのはスーパーカブやハンターカブだけとなっています。

今振り返って思うのはキックスタートはエンジンを始動させるために必要な儀式というより、バイクという乗り物だからできる独特のスマートかつ激しさを伴うアクション的な操作だったのではということです。

車と違い存在感剥き出しのエンジンを轟かせるために必要なアクションが、素早さと的確なタイミングが要求されるキック動作であって、そこに力強さや機械を操れる逞しさの象徴を垣間見れたり、そうしたものへの憧れがあったかもしれません。

こう言葉に表現すると、「そうだよね」と納得してくれる人も少しはいらっしゃるのではと期待したいです。

そして、数少なくなりつつあるキックスタート始動のマシン(CB400SS)のユーザーとしてマシンの良好な始動性の維持に努めていきたいとともに、今さらではありますがキックアームを蹴り下ろすことの醍醐味やスマートに始動できた時の爽快感のようなものを伝え続けていけたらと考えています。

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「気になる単気筒バイクの振動」対策しているのはハンドルだけhttps://bike.danman.jp/vibration-countermeasures-motorcycle/Sun, 20 Apr 2025 02:23:53 +0000https://bike.danman.jp/?p=2544

排気量が400ccというやや大きめの単気筒エンジンを積んだバイクには振動が気になりそうなイメージがありそうですがCB400SSだと実際にはそれほど振動を感じません。 自分で行っている振動対策もハンドルに仕込んだインナーウ ... ]]>

排気量が400ccというやや大きめの単気筒エンジンを積んだバイクには振動が気になりそうなイメージがありそうですがCB400SSだと実際にはそれほど振動を感じません。

自分で行っている振動対策もハンドルに仕込んだインナーウエイトだけになっています。

ハンドルに取り付けたインナーウエイト

もともとハンドルへの振動が少なめだったCB400SSにはその辺の対策は必要ないほどでしたが、昔乗っていたバイクでハンドルへの振動が大きく乗り心地が快適とは言えなかったバイクがあって、CBのハンドルをカスタムしたときに何かしらの対策はしたいとは考えていました。

カスタム用途に販売されているアルミ製のアップハンドルにはハンドルブレースが付属しているものが多く、そうしたハンドルへ交換した場合だと別途振動対策はしなくてもよさそうな感じもします。

ところが、実際に社外品のハンドルへ交換し見るとアルミハンドルはパイプの肉厚にボリュームがあって純正のグリップエンドが装着できなくなってしまいました。

取り出したインナーウエイト

ハンドルに入れているウエイト

そんな事情から、アルミ製のアップハンドルに使えるグリップエンドを探してみたら、サイズの合うグリップエンドを購入するよりインナーウエイトと一体になったグリップエンドを取り付ければ振動対策にもなるということがわかり、そちらのものを選んだという経過があります。

左右のグリップに入れているウエイト

グリップエンド付きウエイトの形状

車体の重量を考えればアルミハンドルの装着で軽量化もできるのではと期待したいところへ、わざわざ重りを仕組むというのは本末転倒のような気もしますが、ハンドルをカスタムした目的は乗車姿勢の改善ですので苦にはなっていません。

合わせて384グラム

ウエイトの重量は1本194グラム、2本では384グラムと結構な重さです。ちなみに付属のラバーゴムはハンドル内にピッタリと収まるため脱着が面倒ということもあり外して乗ってみたことはありません。

さらなる対策にはグリップの交換とグローブの装着

CB400SSのハンドル

インナーウエイトとの組み合わせの効果があってかどうか、CB400SSではハンドルを握っていて不快な振動を感じたことは今までほとんどありません。

しかし、ここ最近になって気になってきたのが長年交換することなく使っている純正のグリップが硬化しきているような感触があります。

ハンドルのグリップはバイクに乗ったとき運転のために手で握り直接操作する部分なので握り心地がよいものを使うに越したことがありません。

急いで交換したい部分ではありませんが、古くなった旧車のグリップと社外品とはいえ最新の素材で作られたグリップでは握り心地に雲泥の差があるのではと想像します。

また、乗車時に装着するグローブもできるだけバイク専用のものを使うことにすれば振動はさらに感じなくなるでしょう。ただし、クッション性に富んだグローブの装着は気温が上昇する季節に街乗り用途には向かなそうです。

そして、CB400SSについて言える必要な振動対策というのもここで上げたものが全てになるかと思います。ただし、この単気筒エンジンなのに質の良いバランサーのおかげで低振動というのは、単気筒好きにとっていささか激しさが足りないような気がするのはセルボタン欲しさとともに長い間引きずりつつ見過ごしてきている部分でもあります。

まあ、よく言えば「おとなしくて可愛いやつ」ということにはなるんですが。

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桜が満開を迎えた4月の上旬、昨年末に乗ったまま冬の間にうっかり冬眠させてしまったCB400SSはそのままでは目を覚ましてくれないのは今までの経験から想像がつくところです。

そこで、いつも通りの燃料リフレッシュと対策済みである外部電源への接続手段を使って始動を試みることにします。

メインキーを回して状態を確認

エンジンがONでもNランプが点灯しない

点灯しないNランプ

作業に入る前に念のためメインキーを回して状態を確認しますが緑色のニュートラルランプは全く点灯しない状態でした。

前回始動させたのが12月ですから、3か月以上エンジンを始動させていなかったことになります。

来月には納車から15年目に入るCB400SSは、冬の間にこれだけ長い期間放置したのは初めてですが今までの車両の状態から、それほど手こずることなく始動してくれるのではと少しばかり期待もしています。

キャブレターから古いガソリンを抜き取る

3か月以上乗らずに過ごした古いタイプのバイクはキャブレターの中に燃焼しづらくなったガソリンが入っているのでそれを抜いてやります。

引火性の高いガソリンを扱うため最初に身体から静電気を除去することにします。

エアコン室外機を触る

まずはアース線(緑色の接地線)が正しく接続されているエアコンの室外機に触れてみることに。

バイクのサイドスタンドも触る

さらに念のため地面に立てたバイクのサイドスタンドにもタッチ。

ガソリンを抜く

キャブレターの下にあるネジを緩めて車体の下からガソリンを少量排出します。

キャブレターから抜き取ったガソリンの色

今回は画像に残しておきたかったので透明のガラス瓶に注いでいますが、容量の小さいガソリン専用の携行缶などがあれば最適かと思います。

抜き取ったガソリンの色は成分の蒸発により色が濃くなったかのように見えますが、普段は色の濃さを確認したことがないのでこんなものかもしれません。

この古いガソリンが抜けた段階で軽くキックアームを蹴り下ろして新鮮な混合気を予めシリンダー内に送り込んでおくことにします。

なお、抜き取ったガソリンは劣化が進んで燃えにくいですが、少量を適正に処分といういのも難しいためタンクに戻しています。

充電用コネクタを12Vのポータブル電源に接続

始動のためにエンジンに新鮮な燃料を送る手段ができたので次は電圧が低下したバッテリーへの対応です。

接続したポータブルバッテリー

12V仕様の古いポータブルバッテリー

もともとセルスターターを搭載していないバイク(CB400SSの前期型)なので、必ずバッテリーを新調しなければ走れないわけではありませんが、このバイクはバッテリーが上がるとキックでもエンジンがかかりづらくなってしまうのはこれまでの経験からわかっています。

外部電源へ接続

今回は、以前にバッテリー充電用に取り付けていたコネクターを使用してポータブルバッテリーから始動のための電圧を補ってやることにしました。

点灯したニュートラルランプ

接続を済ませてメインスイッチをONにすると、緑色のニュートラルランプが微かに点灯するのを確認できました。

電圧が安定したらキックアームを蹴り下ろす

これで、エンジンを始動させるのに必要な新鮮な燃料と安定した電圧(イグニッションコイルへの電圧)が確保できたので、あとはキックアームを力強く蹴るだけです。

対策はできたとは言え、3か月を超える期間の未走行は自分としては未体験領域です。また汗だく必至の鬼キック連発を覚悟にキックをし始めます。

キック始動を開始

1回目、まったく感触なし。

2回目のキックも始動の予兆のようなものが何も感じられない空振り状態。

それでも、やれることはやり切っている自信とともに蹴った3回目のキックでスムーズにエンジンが始動し始めました。

この日の気温は20℃近くあったので、軽く暖気を済ませたあとに近くを試走してみましたが走行に問題はない模様。

あとは天候が良い日に時間を見つけて距離を走り、できるだけ新しいガソリンを継ぎ足してやることにします。

そんなわけで、この春も無事に始動を果たせたCB400SSは走行する機会が減る冬には本来ならガソリンを抜いてキャブレターが乾燥した状態で保管できれば理想的ですが、そうすると保管の期間中に我慢できず走行させるとその都度同じ対応を繰り返さなければならないので面倒です。

車両を良好な状態に保ったまま冬を乗り越えることはライダーにとって永遠のテーマの一つなのかもしれません。

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うっかり長い期間放置してしまった旧車のエンジンを始動するには特別な処置が必要になってくるかもしれません。 動かさなかった期間が冬とかなら影響は少なめかと思いますが、放置期間に気温が高い夏を含んでいる場合はキャブレターを外 ... ]]>

うっかり長い期間放置してしまった旧車のエンジンを始動するには特別な処置が必要になってくるかもしれません。

動かさなかった期間が冬とかなら影響は少なめかと思いますが、放置期間に気温が高い夏を含んでいる場合はキャブレターを外して洗浄してあげる必要があったりします。

キャブレター掃除に荷札の針金

古い車やバイクのエンジンに燃料を供給するために使われるキャブレターは中にガソリンを残したまま使わない状態が続くと、ガソリンが劣化して中のジェット類が詰まりを起こして不動の原因になります。

そんなキャブレター関係のパーツの詰まりを解消させるのには場合によっては細い針金なんかで突いてやるのが効果的で、ユーザーが自分で整備するのにもっとも適しているのが最近ではあまり見かけることも少ないオーソドックスなタイプの荷札についている針金です。

荷札の針金

荷札に付いている細い針金

バイク屋さんなんかだともっと最適な洗浄方法があるのかもしれませんが、自分で処置したいとなるとこうしたものを用意する必要があります。

キャブレターのジェット類

キャブレターの中の小さな部品

ちなみにジェット類というのは画像のようなものです。

この真鍮製の部品が詰まりを起こしたらパーツクリーナー(できればキャブレタークリーナー)なんかにしばらく浸しておいて詰まっている小さな穴を細い針金でホジホジしてやるというわけです。

メインジェット

メインジェット

この大きめなメインジェットだとそうそう詰まることはないと思いますがイメージ的にはこんな感じで使用。

パイロットジェット(スロージェット)

パイロット(スロー)ジェット

パイロットジェット(スロージェット)だと小さな穴が横方向にもあるので、より細いものがあると便利でそれが荷札についてる針金ということです。

荷札とマイナスドライバー

また、このジェット類を外すときやキャブから燃料を抜き取るときにはマイナスドライバーが必要だったりするので、普段あまり出番がないマイナスドライバーとこの荷札は旧車乗りの工具箱ではいざというときの切り札やお守り的な存在といってもよいでしょう。

排気量が小さいエンジンほど小さい穴が詰まる

原付バイクのメインジェット

穴が小さい原付バイクのメインジェット

旧車に装備されているキャブレターは、一般に排気量が大きいエンジンではサイズが大きくなり小排気量のエンジンではサイズが小さくなり、使われているジェット類の穴も小さく詰まりやすくて対処も面倒です。

なので古い原付バイクや、それ以外でもレジャー用に使われるポータブル発電機などはこまめに動かしてやらないと、こうした燃料系のトラブルへの対処を迫られることになってしまいます。

そして、このキャブを詰まらせる内部の腐食は冬の間の放置より外気温が上がってくるこれからの季節が要注意。

もちろん排気量が大きくてもキャブのトラブルが避けられるわけではないので、中型以上のバイクはもちろん年式の古い車など荷札じゃなくてもっと特別な工具にお世話にならなければならないことも考えららます。

ただ、一度自分でこの手のトラブルに見舞われたり、あるいは不動の旧車を手直しするとかの経験をすると自分ではキャブ車を放置することほぼなくなるでしょう。

要は楽しく乗ってやれば、実用的に動かしてやれば面倒なトラブルは回避できるのですから。

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もしもハーレーがその辺に落ちてたら【大型バイクの免許がある世界】https://bike.danman.jp/now-large-motor-cycle-license/Sun, 29 Dec 2024 02:23:27 +0000https://bike.danman.jp/?p=1772

世の中には定年を迎えたあとに大型バイクの免許を取得してバイクに乗り始める人が一定数いらっしゃることでしょう。 大人でも、将来に向かってかなえたい夢を持つことは良いことで尊敬すべきことだと思います。 それでも、そうした将来 ... ]]>

世の中には定年を迎えたあとに大型バイクの免許を取得してバイクに乗り始める人が一定数いらっしゃることでしょう。

大人でも、将来に向かってかなえたい夢を持つことは良いことで尊敬すべきことだと思います。

それでも、そうした将来のビジョンを描ける人の中で大型バイクに乗りたいという希望は優先順位が1番に来る方はそう多くなく、先の将来に描くコトは常に漠然としていて流動的なものかもしれません。

大型バイク免許の取得で開ける道

客観的にみれば、大型バイクという乗り物も幅広い趣味やライフスタイルからみれば狭い世界のものでもあるでしょう。

先の将来を無理に狭いジャンルの娯楽に絞り込む必要はないように思えますが、来る未来を迎えたときを考えると免許だけは先に取得しておいて損はないと思います。

これは私自身の経験からも実感するものがあって、大型バイクの免許を取るために教習所に通いだして分かったのが、限られたコースの中をゆっくりバイクで走るということが意外に大変だったというのがあります。

大型バイクのイメージとして重量感を思い浮かべられるかもしれませんが、実際に大型バイクで走ってみると走り出せば安定して走行できうる乗り物です。

ただし、バイクの重さより二輪車という常にバランスを取らなければならない乗り物を低速走行させるには、慣れないうちは非常に体力を使います。

大排気量V型2気筒エンジン

仮に私だけが運動神経が鈍くてそう感じただけだとしても、余裕のある時間を迎えた人にとっては結構な体力が必要なものではないかと思います。

無理だというレベルではなく、簡単ではなく挑戦する楽しさは得られにくいかといったところでしょうか。

それから、免許の取得だけは早いうちが良いと考えるには一つの理由があって、運転できる乗り物が一種類増えるということは免許取得のために(仕事以外の自由な時間を使って)行動して成果を出せたということです。

バイクの免許は、他の四輪車などの免許と違ってもっとも趣味性が高い免許です。もちろん仕事でバイクに乗る人にとってはそうでないかもしれませんが取得の理由は趣味やライフスタイルが影響することでしょう。

このことは、バイクの免許を持っている人は自分の好きな生活スタイルを実現するためにわざわざ免許まで取得した言わば相当な行動派であることを意味するでしょう。

そして免許を取得したあとに実際にバイクに乗るかどうかは自由であって、当然定年後の楽しみにとっておいても良しと考えます。

ちょっと拝借しちゃう映画のヒーローと同じポジションへ

いつかは大型バイクの免許を取ろうと考えている人へ少し想像してみて欲しいのは、人生の先輩である舘ひろし氏はその昔刑事ドラマの中で他人のバイクを乗り回して犯人を追い回したりしていました。

他に、この手の演出経歴の長い人としてはトムクルーズが分かりやすく映画の中でいつの間にかバイクに乗っています。

また、それほど先輩度が高くないダニエルクレイグも映画のシーンで、そこらにあるバイクを拝借しちゃって悪党から逃げたり追ったりします。

映画のヒーローには簡単になれませんが、もしその辺にハーレーが落ちていたとして(話に無理がありますが映画より現実的)そのハーレーに乗車して動かせる免許があるかどうか、不測の事態や偶然のチャンスで大きなバイクを動かせるかどうか。

免許を持っていることは対処できる人で、免許を持っていない人はバイクを起こすコツも分からないし大型だとクラッチはまともに繋げないでしょう。

乗りたいのは先の将来でも免許は今が良い

免許さえ先に取ってしまえばバイクを買うか買わないか、試乗だったりレンタルだったりでもバイクに乗るタイミングは自由に選ぶことができます。

先に書いたとおり大きなバイクに乗りたいという将来のビジョンは、数多くの思い描く娯楽のうちの候補に過ぎないかもしれませんが、免許の取得を漫然と先送りし続けることは先の将来の選択を狭めることにもなるでしょう。

それと、これから乗ってみたいという方にはよけいな情報になってしまいますが、いざ大きなバイクに乗ってみたら思っていたイメージと違ったということもあるでしょう。

こんなにデカくなくても、早くなんか走れなくてもいいって感想も実際になくはないようです。

ただ、そう感じるのは乗り始めてしばらく経ってからのことで、例え期限付きであっても大きなバイクが大人の所有感を必要以上に満たしてくれることは間違いないと思います。

その結果、先へ思い描くビジョンの中から大型バイクが消えたとしても、大型バイクに触れることがなかった人より少しばかりワイルドな経験が確実に増えることにはなるでしょう。

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寒い日でもバイクをキック始動させたいならhttps://bike.danman.jp/kick-start-trick-cold-day/Sun, 22 Dec 2024 02:23:19 +0000https://bike.danman.jp/?p=2509

気温が低い日がつづき、つい放置してしまったバイクはすんなりエンジンがかかってくれないことがあります。とくにセルなしのキックスタート式のバイクだと真冬に汗だくなんてことにもなりかねません。 今回は、そんなプチ放置バイクを出 ... ]]>

気温が低い日がつづき、つい放置してしまったバイクはすんなりエンジンがかかってくれないことがあります。とくにセルなしのキックスタート式のバイクだと真冬に汗だくなんてことにもなりかねません。

今回は、そんなプチ放置バイクを出来るだけ楽に始動させたい時に試したい対策についてのお話です。

新鮮な燃料を供給させる

キック始動させるバイクがキャブ車の場合に限っての話ですが、乗らない期間が長くなるとその分キャブレター内でガソリンの劣化が進むことになり結果として始動時に燃焼しにくいガソリンを使うことになります。

キャブレターから燃料を抜く

車種やキャブレターの形式にもよると思いますが、自分の経験では仮に放置期間が1ヶ月を超えてしまったケースでは初回のキックをする前に少量のガソリンをキャブのフロートチャンバーから抜き取ってタンクに戻すようにします。

乗らない期間と始動時のキック回数は比例するとか、そんなイメージってないでしょうか。どうせ長い間乗ってなくて数10回蹴ることになるなら最初からキャブレター内の古い燃料は入れ替えてしまったほうが良いでしょう。

効果のほどは車種によると思いますが、何も対策をせずただキック動作を繰り返すのは大変。

燃料コックをOFF

乗らないときは燃料コックをOFF

なお、ガソリンを扱うことになるので取り扱いには十分な注意が必要になります。乗らない期間が長くなると事前に分かっているようなら燃料コックはOFFにしておくのが良いでしょう。

事前にバッテリーを充電しておく

燃料について対策できたところで、始動のためにさらに有効な手段を求めるなら次はシリンダー内での着火の効率を上げるため安定した電圧を確保することではないでしょうか。

こちらも効果は車両の点火方式によりますが、CB400SSの場合はバッテリーが弱っていると始動性が明らかに劣ることになり寒い冬だとエンジンの始動に失敗すればするほど時間が経ちどんどんバッテリーが弱っていくことになります。

バッテリーチャージ

画像は今年シーズンはじめにCBへ取り付けた充電用のコネクタですが今月になてさっそく充電を試してみました。

結果は、放置後にありがちな鬼キックを回避できています。

燃料もバッテリー電圧もそうですが、性能が低下してしまった部分を回復させたうえで始動に臨むことが放置されたバイクをキックで回復させるコツと言えそうです。

あまり必死になってキックしない

キックスターター

ここまで、始動時の燃料とバッテリー電圧(蓄電量)について取り上げてみましたが、他に対策はないのかと言えばプラグ交換とか小手先の対策になるでしょうか。

旧車でエンジンがかからないとプラグのチェックも必要ではと思いがちですが、放置前に普通にエンジンがかかっていたのならプラグが始動できない原因かどうかは微妙なところです。

それよりも、放置期間が夏までさかのぼるなど、例えば最後に乗ったのが7月で8~9月の暑い期間にエンジンをほったらかしにした結果冬にエンジンがかからないとなると、それは寒さが原因で始動できないのではなく別に整備が必要なケースも考えられるでしょう。

それと、以前にも何度か書いていますがキックスタートのバイクはエンジンがスムーズに始動できないとき繰り返し続けてキックアームを蹴り下ろしたところで改善しないことがほとんどです。

20回も蹴ってかからないなら30回でも無理なのが普通だったりします。20回キックして始動できないなら家の中に戻ってコタツに入りコーヒー飲むなど休憩してから再びチャレンジするくらいの余裕があったほうがいいかなと思います。

一番いいのは交代しながら代わりに蹴ってくれる協力者がいると足への負担は軽減できるでしょう。

逆にこれはダメっていうパターンは、どうしても今出かけたいから早くエンジンかけなくてはと連続して蹴り続けてしまうこと。交差点でのエンストと同じで慌てているときにかからないのがキック始動。

それから、今どきキャブ車が希少であることを前提とするなら補足しなければならないことが一つありました。

冬季の始動時はチョークレバーを引いてエンジンをかけることになりますが、このときスロットルは基本全閉の状態でOKです。

エンジンがかかってからも回転数が安定してチョークを戻すまではスロットルは開けないほうが無難かと。

いずれにしても、これからの寒い季節はバイクに乗るのも大変、加えて始動させるのも大変となると冬はある意味ライダーがバイクに対して向ける熱量が測れる季節なのかもしれません。

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劣化で見えにくいブレーキフルードのリザーバータンクを磨いてみるhttps://bike.danman.jp/polish-brakefluid-reserve-tank/Sun, 08 Dec 2024 02:23:13 +0000https://bike.danman.jp/?p=1810

経年劣化により外側がくすんでブレーキフルードの量が見えにくくなったリザーバータンクを取り外して磨いてみました。 タンクはニッシンのものでフロントブレーキ用。使い始めてから7年ほど経ったものです。 ハンドルからタンクを外し ... ]]>

経年劣化により外側がくすんでブレーキフルードの量が見えにくくなったリザーバータンクを取り外して磨いてみました。

表面がくすんだフルードのタンク

劣化により表面が白くなった別体式のフルードタンク

タンクはニッシンのものでフロントブレーキ用。使い始めてから7年ほど経ったものです。

ハンドルからタンクを外して磨く

バイクから取り外したタンク

リザーバータンクを磨くにあたってタンクを固定してるハンドル(ミラーの付け根)から取り外します。

ホースに栓をして漏れ止め対策

外す前にタンクに残っているフルードを布などで吸い取り、マスターシリンダーに繋がるホースには作業が終わるまで漏れ止めを施します。

今回使ったのはゴルフボールを乗せるピンですが、フルードへの耐性は弱いようでした。傷を付けないよう工夫して樹脂製のクランプで挟むなどでも良いかと思います。

表面の汚れが目立つ状態

黒いキャップを外し中身が空な状態だとくすみは目立ちませんが、容量の確認がしにくいのと汚れの付着しているのが分かります。

フェルトバフで磨く

タンクの表面を磨くのに使ったのは百均で売っているフェルトバフです。ルーター用なのでドリルには直接使えないと思っていただいた方が良いでしょう。

フェルトバフを使って10分ほど丁寧に磨いてみると、劣化した表面がボロボロ落ちてUPPERやLOWERと書かれた文字も欠け落ちてしまいます。

表面の艶が回復したタンク

最終的には画像のような仕上がりになっています。コンパウンドを使えば艶まで回復できそうですがタンクの強度を考えるとおすすめではありません。

角度を変えて状態を確認

内側もなんとかUPPERとLOWERの文字が読める程度に残りました。

ハンドルへ戻しフルードを入れる

磨き終わってからタンクの外部を洗剤で洗い乾燥後に元通りハンドルに装着。

取り付けが終わったらキャリパー側からシリンジを使ってフルードを適量注入してエアーの混入がないかレバーを何回か握ってチェックしてからキャップを締めます。

元通りに取付け

残量が見えやすくなったタンク

交換前と比べればいフルードの残量を確認しやすくはなったようですが、表面をだいぶ削ぎ落としてのことなのでいい加減に交換時期かもしれません。

この半透明のタンク本体だけを購入することになると思いますが、純正のタンクで丸いレンズを交換するほど手間にはならないのが別体式の利点かと思います。

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標準でバッテリーレス、しかも原付という閉ざされた価値がココにある【Ape50】https://bike.danman.jp/ape50-batteryless-style/Sat, 30 Nov 2024 09:28:58 +0000https://bike.danman.jp/?p=2482

長く乗り続けたバイクには愛着が湧くので手放したくなくなるというのはあるでしょう。 そうした反面、その乗り続けてきたバイクがセルスターターの付いていない仕様だったら、当たり前にボタン一押しで始動できるバイクに乗り換えたいと ... ]]>

長く乗り続けたバイクには愛着が湧くので手放したくなくなるというのはあるでしょう。

そうした反面、その乗り続けてきたバイクがセルスターターの付いていない仕様だったら、当たり前にボタン一押しで始動できるバイクに乗り換えたいと思う気持ちが芽生えるのも普通なことであります。

古い原付バイクApe(エイプ)を簡単に手放せない理由

軽い原付バイクApe50

ボアアップされたApe(エイプ)に乗り始めたのは、今から17年ほど前のことで当時は持っていた大型バイクのセカンドバイクという目的で手に入れた小さいサイズの乗り物でした。

それから月日は流れ、メインのバイクもセルなしモデルに買い替えたことをきっかけにセルボタンを欲しがる気持ちは幾度となく繰り返されることになりますが、その後もセルスターターが付いたバイクが自分のところへ納車されることはありませんでした。

バッテリーがないことの安心感

キックスタート

セルスターターが無いことによる不満や不安は他の多くのセル付きバイクに乗っている人が想像できる通りです。

しかし、いざバイクを買い替えるとなると乗り換えの対象となる車両には必ずバッテリーが搭載されることになります。

そこから想定されるのは、所有するバイク2台にはそれぞれバッテリーが搭載され、加えて4輪のバッテリーも数えると自分が管理しなければならないバッテリーは3個。

仮にバッテリーの寿命を3~4年と見積もると毎年どれかのバッテリーについて交換の心配をしなければならないことになります。

バッテリーの寿命を3年と考えるのは短すぎですが、冬に放置してしまいがちなバイクでは2台以上の管理は容易ではありません。

その点を考えればバッテリーを搭載していないバイクは管理がしやすいバイクだと言えるでしょう。

内燃機関を動力源とした乗り物でバッテリー上がりの心配がないというのは一つの安心できるメリットでありセカンドバイクとしては最適です。

この先発売されることがないバッテリーレス車

シンプルな構造

前期のキャブレター仕様のApeでは標準でバッテリーレスになっていますが、これは当時としても原付バイクでは珍しい仕様だったのではないでしょうか。

Apeにスタイルが似ている古いR&Pでも6V仕様のバッテリー搭載車で、それと世代を同じくして人気であったモンキーやゴリラでも6Vバッテリーを搭載していました。

特別取り上げられることのないApeのバッテリーレス仕様ですが、他のメーカーの車両を見てもオフ車以外で標準のバッテリーレス車、特に原付というのは極めて稀な存在でしょう。

そして排ガス規制後のFI化に伴いApe50・100でもバッテリーが搭載されるようになってからは、他のメーカーの車種も含め原付以外でもバッテリーを搭載していない車両は現行モデルとして見かけなくなりました。

これらの現状から想像するに、バッテリーなしの電力が不安定な状態では現在の排ガス規制には対応できず今後は標準でバッテリーレス車が発売されるこをはほぼ無いと予想されます。

規制が強化された2016年(2017年)当時すでにApeを所有していたため、それほど深刻には考えていませんでしたが、もう新車としては入手が難しく中古としても数が少なくなる一方であることを考えれば、そう簡単に買い替える判断にはなりません。

ただ走るだけで味わい深い小さな遺産Ape50

キックペダル

世の中には、消えて無くなってしまってからその存在価値に気づくものがあります。

その昔、乗用車が量産化されたばかりのころエンジンの始動に手で回す手動式のものが存在したのは知っていますが、近年では私自身も含め多くの世代の人がその存在を実際に見たことがありません。

Ape50(100)のような標準でバッテリーレスのバイクは、始動に必要な電荷そのものを人の脚力に依存するもので、始動後も独立した蓄電池の存在に頼らず完結させる仕組みになっています。

走り自体も規制に適合したスムーズな回転性能を誇るエンジンより挙動が不安定ですが、それは我々単気筒ファンには「激しさ」として評価される面もあります。

後から見たエイプ

自分の足で仕掛けた慣性により動き出したエンジンがそのまま動力源となり、それが生み出す小刻みなテンポはシリンダー内の燃焼とピストンの動きを乗り手に伝えてくれるといった一連の作用は規制前のApe50・100の持ち味であったと言え、小ネタのようにでも語り継がれるべき価値のある小さな遺産であることでしょう。

ここでは、電力をバッテリーに頼る手段が最初から断たれている点はかなり大きなポイントになります。

Apeの走りがもたらす一連の作用は、この世代に存在したバイクの乗り味をコンパクトに分かりやすく凝縮したものとも評価できます。

普段の移動手段としてでも、その走りは「小さくまとまった味わい」を体験させ続けてくれることでしょう。

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