CB400SSのリアホイールではフロントと同じくハブ部分に2つのベアリングが入っています。
このほかにもハブダンパーを介してドリブンスプロケットを駆動させるパーツの内部にも型番が異なるベアリングが一つ組み込まれていていました。
前回の記事ではホイールの両サイドの2個まで交換済みでしたが、この3つ目ベアリングの交換を行うことにします。
ドリブンスプロケットのフランジにあるベアリングの交換
このスプロケ固定用のフランジ内にあるベアリングは、メンテナンスの際にホイールからスプロケごと引き抜くと見えるもので、ここにあるベアリングの存在は知っていたのですが今回いざ取り外そうとしてホイール側の2つと違い追加の「ひと手間」が必要なことに気づかされました。
そのひと手間要した作業ポイントは次の2点。
- 交換にはベアリング内にあるカラーも外さなければならない
- プーラー本体のアームの長さが足りず何かで補う必要がある
画像はベアリングが入っているパーツの内側から見たところですが、ベアリングの内側に別のパイプ状の金属が挿入されているのが見えます。
本来なら簡単に抜けるものかも知れませんが外側から少し押したところでは抜けそうにありません。
内側にあるカラーを外す
当初、マイナスドライバーで少し押してみたりを試みますが上手く抜けませんし傷が入りそうです。
そこでプーラーに使う17mmサイズのチャックを外側から当ててゴムハンマーで叩いてみたところ「コツンっ!」という音ともにベアリングから抜けてくれました。
本来なら、こうした部分はメーカー専用の治具が存在するのかもしれません。
この筒状の金属パーツはパーツリストでは「カラーB」となっています。
ベアリングの取り外し
ベアリングからカラーが外せたのであとは、前回作業及びフロントのときと同じくパイロットベアリングプーラーを用いてベアリングを引き抜くことにします。
使うチャック(爪)のサイズは20mmと太めのものを選定しました。
あとは中央のボルトを右回りに締めこんでいけばベアリングは抜けるはずですが、20㎜サイズのチャックは高さもあってベアリングを引き抜くのにアーム(ベアリングの周囲を押す役目をする部分)の長さが足りずボルトを回しきれなくなってしまいました。
前輪のホイールベアリングのときも書いていましたが、本来ならプーラー本体とベアリング周囲のパーツの間には木材などを当てて使ったほうが傷がつかず良さそうな感じです。
あいにく高さを稼げるような木材が手元になかったため、今回は金属物ではありますがプライヤー(ウォーターポンプ用)の先を使うことにしました。
プライヤーを下駄代わりにして作業を続けると無事にベアリングを引き抜くことに成功。
純正ベアリングはNSK製の「6204DU」(両側樹脂シール)でした。
新しいベアリングを圧入
画像は、左からスプロケット用フランジ、カラー、ベアリングの順に並べたものです。
後で気づいたのですが、それぞれ向きが参照したい面に対して裏返しでした。
交換用に用意した新しいベアリングはNTN製「6204LLU」になります。
古いベアリングの取り出しに少々難儀したところでしたが、新しいベアリングの圧入はホイールのときと同じくスムーズに入れ込むことができました。
内、外ともにしっかり元通りフランジの中に入っているのが確認できています。
続いて、内側(ハブと接触する面)からベアリングの圧入と同じ要領でカラー入れていきます。
カラーが入ったら、外側にダストシールを元通り取り付けてホイールにハブダンパーを入れてからフランジを戻して完成。
あとは、ホイールを車体に戻してアクスルシャフトのナットを締め付けてからブレーキの調整も忘れずに行います。
これで、CB400SSのホイールは前後ともに新しいベアリングに入れ替わりました。新品のベアリングなので走りがスムーズに感じれるのではと期待して実走してみたことろ効果は体感しにくい程度。
この後、燃費には数字として表れてくれるのではと少しばかり期待しています。
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