自分が乗っているバイクのタイヤがチューブ入りのタイヤかチューブレスかを意識する場面は結構少ないと思います。
見た目重視で選んだバイクがスポークホイールだったのでチューブ入りのタイヤを使っているとかそんな感じでしょうか。
しかし、これが10年以上とか長い間同じ車種に乗り続けているとタイヤチューブの有無がそれなりに気になったりもします。
普段使いでは体感しにくい耐衝撃性
タイヤの装着時にチューブを使わなければならないスポークホイールのメリットは一般的に耐衝撃性に優れているからと言われます。
この耐衝撃性という言葉自体も理解しにくいものですが、ホイール自体が外的衝撃にどれだけ耐えられるかを指す指標だとすると、素人目線、かつ長期的な視点からはリムに歪みが生じたり、メンテナンスを怠ったことによりスポークが折れてしまったりするスポークホイールがキャストホイールに比べて耐衝撃性があるというのは理解しにくい部分です。
それより、サイズ(直径)が大きめでリム幅が狭い小排気量の車種向けには開発コストの面からメーカー側がキャストホイールを採用していないのではないかという疑問すらあります。
販売価格が高くても需要のある中型以上、かつある程度の販売台数を見込める代表的なモデルなら専用のホイールを開発するが、それ以外の小排気量モデルまたは軽いバイクならオフロードモデルやビジネスバイクでの実績や開発データ(信頼できる下請け企業の技術)が既にあるリムに専用のハブを組み合わせたほうが見合ったコストで開発できると踏んでいるなら頷ける部分はあると解釈できないでしょうか。
また、耐衝撃性というのが乗り手への振動緩和と解釈しても、それがいかに体感しにくい程度のものかはアルミフレームのロードバイク(自転車)などに乗った経験がある方なら分かると思います。
それに、スポークホイールだと未舗装のダート走行をしたときに乗り心地が良いからこのバイクを選んだんだとか、そんな話もあまり耳にはしないでしょう。
一般の街乗りライダーがスポークホイールのバイクを選ぶ理由は、排気量だったり外見のスタイルが自分に見合っていると思って乗り始めたバイクがスポークホイールだったというのが多数派ではないでしょうか。
メンテナンスが面倒なスポークホイール
自分のセンスや好みによって選ばれたバイクがスポークホイール仕様だったとしても、それを極端に気に掛けることはないと思います。
しかし、その車種にある程度こだわりながら長い期間乗り続けたいとなると状況は変わるかも知れません。
たとえば、タイヤ交換を何度か繰り返すうちにタイヤの入れ替えを自分でやってみたいとなったときなどです。
タイヤの手組みをする上で、チューブ入りかチューブレスかでは明らかに手間が違ってチューブレスタイヤの方が圧倒的に作業が楽です。
また、走行によりスポークが緩んでくるとメンテナンスが必要になりリムに歪みが確認されたら「振れ取り」という職人技が要るほどの細かい修正をしなければなりません。
ただ、ここで私的な意見を一言付け加えると、このスポークホイールのメンテナンスをバイク屋さんがやっているところに一度も出くわしたことがなく、バイク屋さんに振れ取り台らしき器具が置いてあるのも見たことがありません。
たぶんオフロードのチームを持っているバイク店とかなら見える場所にそうした器具があるんじゃないかな?とは思います。
スポークホイールと長くつきあうには、手間と解明しなければならない課題があるのは確かでしょう。
街乗りライダーにとってチューブタイヤのメリットとは
長年、スポークホイールのバイクに乗り続けてきた側として、また後輪に関してはチューブレスタイヤにチューブを入れて乗ってきたユーザーとして他人にスポークホイールにチューブタイヤの組み合わせにメリットはないのかと聞かれれば考えるのも面倒なのでハッキリ答えます。
「チューブ入りタイヤには特に評価できるメリットはありません。」
ただ、400ccという排気量の割に軽いバイクだというバイク本体の魅力はチューブタイヤ必須の不便なスポークホイールの「手間と課題」をカバーするに充分足りるものだと判断しています。
(専用ホイールだったらもっと軽かったかも?)
また、最近ではチューブタイヤを利用し続けて見えてきたチューブレスのデメリットというものがあります。
チューブレスタイヤでは、タイヤそのものが寿命を迎える前にバルブに亀裂が入ってしまうことが少なくありません。
当然ものによってということになりますが、バルブのゴム部分の品質など見た目で判断するのは難しく、タイヤはネットで買うがバルブは品質がよい物を買いたいからバイク店から買うというのもこれまた別な意味で難しいでしょう。
その点、チューブタイヤならチューブに付属しているバルブはリムから外部に露出する部分が全て金属なのでバルブの劣化によるエアー漏れが起こりにくいと言えます。
バルブの劣化をそれほど意識しなくて済むのが街乗りライダーがチューブ入りタイヤを使っていて唯一実感できるメリットなのかもしれません。
ここでは自分も含め街乗りライダーの視点からチューブタイヤへの印象をまとめてみましたが、生粋の山バイク好きにとってはスポークホイールはリムを選べる自由度があって楽しいとかあるかもしれません。ただし、お財布事情に相当絡むと想像できますのでそちらの世界は覗き込むのも覚悟が要ることでしょう。