冬になるとバイクのエンジンをかけてから走り出すまでに暖機をしている時間が長くなります。
車のようにエンジンをスタートさせてすぐ出発といかないところが空冷単気筒の扱いが難しいところです。
暖機なしでは走り出せない車両
キャブ車だからというのも影響しているとは思いますが、バイクの車種によってはエンジンを充分暖めてから走らないと右左折のときにエンジンの回転が不安定になって、最悪の場合車体のバランスを崩して転倒します。
コケるなんて大袈裟だろうと思われるかも知れませんが冷えた細いタイヤは思いのほか滑ります。
水冷式の4輪車でも旧車好きの方には分かってもらえるのではと思いますが、なにせ寒い季節は充分な暖機をしないと道路に出れません。
そんな事情から冬は長めの暖機が必要で、エンジンをかけたまま走り出すまで時間がかかるので、ご近所には申し訳ない気分にもなります。
暖機が長くなってしまう古いバイクであることなど、興味がない人には分からないことでしょうし機会があったらエンジンかけてる時間が長い理由というのを説明したい気持ちにかられますが、いらぬ話を長々されることのほうが迷惑でしょう。
空冷エンジンにとって過酷な冬
万全な装備をもっても寒い中バイクで走るのはライダーにとって快適とは言えない環境。
オーバークールというのを考えると空冷エンジンにとっても良くない条件になるのは間違いなさそうです。
真夏の高温になる時期でも、ある程度は安定して走行できる性能を持っているとなると冬に走ると冷え過ぎなのではと心配になります。
以前に、空冷エンジンは季節によってオイルの粘度を変えた方がよいと聞いたことがありましたが、空冷エンジンそのものの数が減りつつある中でそれを実践しているオーナーがどれだけいるのか気になります。
ちなみに、自分の場合は冬には数回ほどしか乗らないので年中10W-40のまま。
寒い中に走り出すのは、クドイまでの暖機が望まれることからライダーにもエンジンにも、そして地球環境やご近所にも負担になることでしょう。
乗り手にも課題が多いこの冬の暖機
取扱いに思い入れ以外の諸事情がからむ空冷エンジンにとって暖機は欠かせないものです。
今どきの乗用車では暖機運転はほぼ不要とも言われますが、悲しくも空冷エンジンへのこだわりと始動にかかわる暖機はセット。
単気筒へのこだわりと情熱があれば寒い冬も平気と言いたいところですが、乗り手自身もそこそこ(ぬくぬく)な暖気が要求されるようです。
しかし、昨今の電気料金の高騰によりライダー本人の暖機のほうはエンジン性能に影響がないため省略される場面の少なくないことでしょう。
そんな覚悟で外へ出たときに限って、エンジンがなかなか始動できず繰り返すキックの動作で結果的に汗だくというのも珍しくないこと。
寒さの中、走り出してしまえば丁度良いとも言えますがエンジンをしつこく入念に暖機してやるつもりが、自分のほうがウォーミングアップさせられてしまうのは、ありがたいようで冬だけに味わう複雑な気持ちです。
そんな「暖機はもうほどほどにしたい」と思う頃に春の雰囲気が感じ始めてくるようです。
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