長いこと乗り続けているCB400SSは中古で自分のところに納車されてからもう10年以上。
あらためて書類を確認してみると初年度登録からは今月でまる20年を迎える車両になります。
初年度登録から20年になるCB400SS
当初、中古で手に入れたCB400SSは年式のわりに走行距離が少ない車両でした。
登録が11月ということで寒さが訪れる時期に新車として購入された方がいたようです。
その購入された最初のユーザーは限定カラーに一目惚れと言ったところだったのでしょうか、その後キックスタートに馴染めなかったのか3000kmほどの走行距離で手放されることになったのはセルなし初期型にとって宿命だったのかもしれません。
このバイクで行きたい場所
それまでの経歴はどうあれ、縁があって自分のところにやってきた400ccの空冷単気筒バイクは今も傍らに居続けています。
そして今、初走行から20年経過したであろうこのバイクで走りたい場所は地元での街乗り。
もちろん生活や通勤の手段としてではなく普段はあまりやらない市街地一周というやつです。
地元の主要国道やバイパス道路、一級河川を跨ぐ橋や跨線橋など特別ではないけど市街地の特徴を満遍なく走り抜けてみることにしました。
遠くへ出かける機会を確保できるのが一番ではありますが、特別な節目を祝い大事に乗り続けていられることのありがたさに浸りながらのんびり走ることにします。
過ごしたい時間
そして、走りにでかけたこの日は写真をスマホではなくレンズ交換式のミラーレスカメラで撮ることにしました。
日頃のストレス解消ではなく、開放感を得たいための特別なツーリングでもなく同じ時間を過ごしてきたバイクの今の画像を淡々と記録していくことに。
振り返れば、気取らず走りに拘らない時間さえ特別に意識しなければ設けること出来なくなっていたことに気づかされます。
こうして目的を持たず走りつづけその景色を味わいながら写真を撮るという時間はとても贅沢なものだと実感。
バイクを楽しむ時間以外の日常でも、時には立ち止まって周りを見渡してみれば今の立ち位置だってそんなに居心地が悪いもんじゃないかもねって少しは思えてきそうにもなります。
これからもずっと「気分は単気筒」
初年度登録から20年が経つバイクはブレーキラインのバンジョーボルトが錆でまっ茶色、空冷フィンは表面が白くくすんでしまっていてメンテナンスの課題は盛りだくさんです。
昨日、ブレーキホースの交換に合わせこの錆が浮き出まくったバンジョーボルトを交換しエア抜きを済ませた後に、ブレーキの感触を確認しながら近くの道の駅へ行ってみることに。
指定の駐輪場にバイクを停めると、そこでピカピカの見た目にも新しいGB350に乗った若者を見かけました。
話を聞くと納車してまだ間もない新車とのことです。バイクについて話す表情にも新車を手に入れた嬉しさがにじみ出ていました。
CB400SSも20年前(2003年)の秋深まる11月にどこかの若者へ新車として納車され、そこには似たような瞬間と同じようなシーンがあったことでしょう。
新車のGB350に乗った青年も、単気筒バイクの独特な乗り心地を味わいながらこの先何年か楽しい日々を過ごすことになると思います。(セル付きなので挫折はないでしょう)
CB400SSもGB350も同じ空冷単気筒のバイク。奇遇ですが20年という節目に今まで意識することが少なかった自分のバイクの原点を垣間見たかのような気持ちになれました。
仕事の忙しさや不満が鬱積してくると、ついプライベートのハードルまで上げないと気分が晴れないかのうような気分になりがちではないでしょうか。
単気筒エンジンが刻む軽快なリズムは、そんな過剰に何かを求めすぎがちな気持ちを無理のない平穏なテンションに戻してくれる効果がありそうです。
日々の忙しさやストレスに影響されないためには、自分なりのリズムを持ちそれを継続していくことも大事なようです。
私にとって、空冷単気筒バイクはそのリズムを作り出してくれる一つのきっかけ、それはこの先もしばらくは続くことでしょう。
これからもずっと「気分は単気筒」。
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