もう何度目でしょう、今回の車検で「自分はバイクのユーザー車検で何かを目指している人なのか?」と、ふと考える瞬間があった一方で、実際には正確な情報を把握しきれていない部分も多々あることを思い知らされる体験をしてきました。
「ユーザー車検に合格したのに、車検証が前回とまったく同じカードのままだった…」。こんな経験をされた方はいませんか?
私自身も、2023年の継続検査でカード型の車検証を受け取っていて、そして今回(2025年)も引き続きユーザー車検を受けたところ、手続きが終わってから手渡されたのはまったく同じ(折り目もそのままな)カード型の車検証でした。
「え?新しいものがもらえるんじゃないの?」と一瞬戸惑いましたが、実はこれは2023年から始まった車検証の新制度による正式な運用。
ICチップ付きカードで継続検査を受ける
2023年1月4日より、自動車(オートバイも)の車検証は全国的に「ICチップ付きのカード型」へと切り替わりました。これまでのA4サイズの紙から、カードサイズの新しい形に変わり、所有者情報や車両情報の一部はICチップに格納されるようになっています。
この変更の背景には、行政手続きのデジタル化や、車検証情報の一元管理といった目的があるとのこと。
使用者としては、持ち運びしやすくなった反面、表示情報が少なくなったことや、閲覧には専用アプリが必要になったなど、戸惑いの声も少なくないと聞きます。
制度が始まって約2年半、この新しいタイプの車検証が継続検査の際に提示されるケースが今年に入ってから増え続けているはず。
私が受けた今回のユーザー車検がまさにそうでしたが、当初は理解していたはずのカード型車検証の継続利用は頭からすっぽり抜けていました。
継続検査では車検証は更新されない?
従来の制度により、「車検に合格すれば新しい車検証が発行される」という既成概念のほうが頭にのこったまま。
実際、制度変更前までは、車検のたびに新しい車検証が交付されていました。しかし、2025年以降に2年目で受ける継続検査では事情が異なります。(新車3年目ではA4が残っていることが多いのでカード型に切り替え)
新制度では、車検証に記載された情報に変更がない場合、再発行はされません。つまり、継続検査を通しただけでは、すでに持っているカード型車検証がそのまま使われるという仕組みなのです。
たとえば名義変更や住所変更、構造変更などの手続きを伴えば新しいカード型が交付されますが、そうした変更がない限り、カード自体は再発行されず、手元に戻ってくるのは以前と同じ車検証です。

折り目やしわがそのままで戻ってきた車検証
ちなみに、受け取る際にあった「記載内容に間違いがないか確認してください」みたいなやりとりもなくなって窓口の担当者さんのセリフは減った模様です。
カード型をすでに持っている人は「そのまま使う」仕組み
今回のように、すでにカード型車検証を所有していた場合、継続検査を受けても新しいものにはなりません。
長いこと、同じバイクを所有している私のようなケースの他、2023年以降に中古車を購入して初回の継続検査を迎えた人にとっても、ちょうど該当するタイミングです。
実際に車検証に関する手続き上の不備がないにもかかわらず、同じカードが戻ってきたことに違和感や驚きを持つ人は少なくないのではと思いますがどうなのでしょう。
ユーザー車検って、直前に整備や自賠責保険の手配、車検予約システムなどで「頭でっかち」になりがちなので私だけじゃないと思いたいのですが・・・。
逆に、ディーラーやバイク屋さんに車検を頼むなら制度の詳しい説明を受ける機会があるので、「新しいカードじゃないのはなぜ?」という疑問を持つことは少ないはずです。
ユーザー車検はケアレスミスとの戦い?
2023年から導入されたICカード型車検証は、「車検ごとに新しいものがもらえる」という従来の感覚を覆すものでした。
特に、すでにカード型を持っていた人にとっては、「車検を受けたのに何も変わらない」ことが意外に思えるかもしれませんが、これが新しい標準化されたシステムであり今後の常識。
そんなわけで7回目のユーザー車検を受けてきた私は、ことユーザー車検という分野ではまだまだ何者にもなれていない事実を正面から突き付けられた衝撃的な事案でした。
この車検証についての話の他に、気のゆるみによって検査場を3周しちゃったなんてことも今回やらかしてしまってますので、その辺についても近いうちに内容の報告ができたらと考えています。
なお、この先「大きなA4サイズの車検証」は(新車3年目の車検でも)すべて回収される期間に入っているので、珍しいから残しておきたい奇特な思考の方は車検を切らして税金を納め続けるしかなさそうで、その辺り別な策がないのかちょっと気になってます(興味津々)。
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