セルスターターを搭載しない前期型のCB400SSは乗らない日が続いてバッテリーの自然放電が続くとエンジンの始動性が低下する傾向にあります。
仮にエンジンがかかりにくくなる原因が他にあるとしても、キックでの始動にもたついているとライトの点灯などによりバッテリーはさらに消耗していくことになり気分的にも焦ってしまいます。
この始動時の不安要素の一つである、上がり気味のバッテリー対策として自作の充電コネクタをバイクに取り付けてみることにしました。
前期型CB00SSに使われているバッテリー
キックスタートオンリーの前期型CB400SSに搭載されているバッテリーは小型で車体側のケーブルとの接続はコネクター式になっています。
通常、バイクに搭載されるバッテリーの電極は車のものと似ていて細長い本体の両側に分かれて配置されていて、そこへワニ口クリップのようなものを使って他のバッテリーから電圧を供給することが可能です。
しかし、CB400SS(CL400も同じ)ではバッテリーの小さな端子に車両側のコネクタを差し込むタイプで車のブースターケーブルの要領で他から電圧を供給することが出来ない仕様になっています。
自作の充電コネクタを取り付けるには、このバッテリー用のコネクタに繋がっている配線を加工することになります。
画像はヒューズボックスを兼ねたコネクタの背面を開いたもので、赤で囲んだ部分がプラス端子、青がマイナス端子が差し込まれている部分です。
引き抜いた赤の端子をバッテリーに直接接続してみるとピッタリですが、このメス側の端子はよく見かける平型端子とは形状が違っていてサイズ的にも互換性がなさそうですので加工の際に別な新品を使うというのは難しそうです。
バッテリーチャージコネクタの作成
バッテリーと直接つながるプラス・マイナス2本の電線に外部から電圧を供給するには、コネクタに近い場所で両方の電線を分岐させる必要があります。
コネクターの金属端子を新品で入手できれば、既存の配線と分岐用の配線2本を端子にかしめて、元通りコネクターに組み込んでしまえば良さそうですが新品が用意できないので2つの端子は電線を根本から切断して再利用することにしました。
既存の配線は長さに余裕がないため、再利用する電源端子には別途用意した電線を使うことにします。
また、分岐する既存の配線と取り付けるコネクター用電線との接続には、電気配線(強電)用の棒端子と設備用に使われるコネクタを使います。
加工の手順は車両側にある既存の配線を加工し、そのあとコネクターを作成しジョイントすることにします。
既存のコネクター配線を加工
先に既存配線のマイナス側から作業に入ります。
既存線を切断した端子を再利用するために、絶縁被覆付きの圧着スリーブの被覆を剥がして使うことにしました。
用意したのは、画像の左から、黒の電線、再利用する端子、被覆を剥いだスリーブです。一番左は加工前の被覆が付いた状態のスリーブを参考とて並べています。
被覆を剥いだスリーブに端子と電線の先を差し込んで圧着工具でかしめます。
見た感じ仕上がりの強度は問題なさそうです。
これをヒューズボックス兼用のバッテリーコネクターに差し込んで、電線の反対側は既存の車両側配線と一緒に棒端子をかしめて取り付けています。
プラス側も同じく純正端子を再利用して赤の電線をかしめます。プラス側は根本に熱収縮チューブを使ってみました。
プラスの赤い電線は両側に赤の絶縁キャップを取り付けています。マイナス側は棒端子付属の透明キャップです。
充電コネクタの作成
続いて充電器との接続に使うコネクターを作成します。
用意したのは弱電用の電線と市販のカプラー。画像は電線とカプラー用の端子、棒端子は車体側に取り付けた2本と同じものです。
カプラー用の端子は一般の車両配線用に使われる圧着工具でかしめます。
棒端子の方は車両側の加工と同じく強電用の圧着工具を使っています。
画像が出来上がった充電コネクタ。あまり長すぎるとサイドカバーからはみ出してしまうので長さはこの程度で良いかと思います
さっそくバイク側につけた棒端子へコネクタを介して接続してみます。この状態でメインスイッチをONにして問題なくエンジンがかかるのを確認できました。
これで、ほぼ完成ですが通常時は先端を絶縁できる状態にしておきたいので、とりあえず仮の策として端子を入れていない空の状態のカプラー(オス形状)を取り付けておくことにしました。
あとはサイドカバー内のスペースにコネクタを収めて完了です。
バッテリーを外さずに充電できることの利点
CB400SSではバッテリーが放電してしまったときにバッテリーターミナルへケーブルのクリップを挟むような電圧の供給ができません。
今回のようなにコネクタを増設することで、コネクタを介して電圧供給は可能になり従来のようにボルトを3本外してからバッテリーを取り外し充電するという手間は省けそうです。
ただし、このようなカスタムは過充電によるバッテリーの変形や加熱が車両に影響を与えるリスクを伴うものでもあり、このページでも同様の対策を特に推奨するものではありまません。
十分に安全対策ができることがカスタム行う上での前提条件となるでしょう。
安全面の担保を考慮すればボルト3本緩めること(プラス充電時間)くらい容易いことかもしれません。
おすすめ記事