夏こそ適正に管理したいタイヤの空気圧、自転車用でささっと対処してみる

後輪の空気圧を調整

気温が30度を越える日が続く夏はバイクに乗る時間以外はできるだけエアコンの効いた涼しいところにいたい気分です。

そんな、8月の半ばを迎えたところでタイヤの空気圧をチェックすることにしました。

手押しのポンプで空気圧を管理

タイヤの空気圧のチェックはガソリンスタンドでコンプレッサーを使ったエアーチャージャーを借りるのが便利です。

しかし、酷暑の中走り出したあとは場所がガソリンスタンドと言えど、給油が済んだらできるだけ早く帰りたい、暑い中その場にとどまりたくない気分になることもあるでしょう。

ロードバイク用の空気入れ

ロードバイク用の空気入れを試す

そこで、出かける前にタイヤの空気圧チェックを済ませるために使えそうなものはないかと取り出してきたのがスポーツ自転車用のゲージが付いたエアーポンプ。

普通の自転車用空気入れだとバルブが対応していなくて使えないケースが多いと思いますが、スポーツ自転車(ロードバイクなど)用のエアーポンプだとバイクのタイヤに採用されている米式バルブが使えたりします。さらに圧力チェック用のゲージが付いているので期待値は上がります。

エイプ(原付バイク)ではタイヤの規定圧力が前後とも1.75kgf/cm2。

今時の単位に換算すると約172kPaということになるでしょうか。

今回試しに使用する手押し式の空気入れはロードバイク専用のものになります。

空気入れのエアゲージ

空気入れに付属のゲージ

空気入れに付属しているゲージをあらためて確認してみると、単位がkgf/cm2やMPaではなくpsiとbarになっています。

このうち内側の赤い目盛りの「bar」で示される数字はおおよそ「kgf/cm2」として使えるようです。(1bar≒1kgf/cm2)

ホースの先をセット

最初に前輪のバルブにポンプのホースをセットしてみます

前輪の空気圧チェック

ゲージの針が示す圧力は約1barと規定よりだいぶ少なくなっていました。

適正圧力に調整

数回ポンピングして2bar(約2kgf/cm2)の少し手前付近になったところでホースを外しバルブのキャップを戻します。

後輪はバルブにアダプターをセット

L型アダプターをセットしたバルブ

つづいて後輪でも同じくポンプをセットしますがリアのホイールには車と同じ形状のバルブを使用していたのでアダプターを使います。

後輪の空気圧をチェック

ホースを接続して空気圧をチェックしてみるとゲージの目盛りはフロントより少ない感じ。バイクに乗ってる本人が気づかないだけで周りの人からはタイヤがつぶれて見えるという状況だったかと思われます。

後輪の空気圧を調整

こちらは10回以上ポンピングしてから、2barの少し手前の規定圧力付近になったところでホースを外しバルブのキャップを戻します。

アダプターを外す

このときL型のアダプターを外すのに前輪より多めに空気が抜けるのでその分を考慮しても良さそうです。

手押しのポンプでの空気圧管理はガソリンスタンドのエアチャージャーより手間はかかるかもしれませんが、酷暑の中一度乗りだしたあとにヘルメットを被ったまま汗を滲ませながらタイヤに空気を補充する作業ってまあまあ大変ではないでしょうか。

夏こそ気になるタイヤの空気圧

乗り物のタイヤは周囲の温度が上昇すれば中のエアーも膨張しそうな感じがしないでもありません。

どちらかというとバイクを放置しがちな冬を越したあとに圧力の低下が気になりますが、それらを根拠に空気圧のチェックを怠ってしまうには夏の期間は長すぎます。

参考までに、空気圧の調整をすませたバイクで走行前と走行後でタイヤの表面温度を計ってみることにします。

走行前の前タイヤ温度

走行前の前輪は34.3℃

走行前の後タイヤ温度

後輪は33.2℃

走行前は前後とも30℃より少し高めでフロントがリアよりわずかに高い温度なのは日当たり具合が影響しているようです。

このあと約5kmほど走行してから再度タイヤの表面温度を計ってみることにしました。

走行後の前タイヤ温度

走行後の前輪は42.3℃

走行後後タイヤ温度

後輪は43.8℃

走行後は前後とも40℃超えと大きく上昇しているのが分かります。

測定したこの日はわりと曇りがちの天候でしたが猛暑日なんかだとさらに温度は上昇するでしょう。

このように走行中のタイヤは私たち乗り手が想像する以上に熱をもった状態であるのがわかります。猛暑の期間が盛りに達した今こそ思い出してバルブを含めたタイヤ全体のチェックをしてみるのも良いかもしれません。

また、夏にパンクなどで空気が抜けた状態で走行してしまった経験がある方だと分かると思いますが、空気が抜け始めたタイヤは少しの走行でも思ったより熱くなります。

空気圧が低下したまま高速走行するとバーストの原因になるという話はよく聞きますが、速度が低速であっても空気圧が低ければタイヤの温度は上昇し性能が低下したり寿命を早めてしまうことも心配されます。

そうした熱による劣化を予防するためにも、どの場所でどういったツールを使えば空気圧の管理が楽かを日頃から気にとめておくのも大事かもしれません。

今回使った自転車用のポンプですが、実は自転車よりバイクに使っている回数ほうが多いくらいです。電動式のも所有していますが電源を12Vのソケットに抜き差しするより手押しのものを出してきた方が後かたづけも楽に感じます。

ただし、もっとも楽で有効かつ確実なタイヤの管理手段はバイク屋さんと仲良くしておくことです。

一番手っ取り早く簡単?かもです。