今でこそ、バイクでも標準的に装備されるようになったガソリンメーター。
排ガス規制が強化された時期を境に、その対応とタイミングを同じくして燃料計の採用も増えてきた経過があるようです。
当たり前ではなかったバイクの燃料計
当時、燃料供給装置がインジェクションになるとガス欠を生じさせてしまった時に面倒になるという話を聞いたことがあります。実際にも燃料を空にさせることよりその後の対応が適切でないと装置の故障を招いてしまうとか難しい事情があるようです。
そんな様々な心配事を回避するため存在が普通になりつつあるガソリンメーターですが、ものがバイクとはいえもっと昔から付いていても良かったのではと疑問に思います。
給油の度にトリップメーターをゼロに戻して、走行距離を把握しそろそろかなと思ったタイミングで給油するというのがバイクにおける一般的な給油パターン。
これを怠ってしまうと走行中にエンジンがプスプスと言いだして止まりそうになるので、それに気づいたら即座に左手を燃料コックにやりタンクをリザーブへと切り替えることになります。
ただし、そう簡単に言っても普通なら走行距離から燃料が減っていることに気づかずリザーブへの切り替えが必要になるまで走ってしまう事態は、整備不良や急な故障などイレギュラーな燃費の悪化が発生したときでしょう。
ガソリンの量が減ってきているのが分かっていれば、エンジンの回転が安定しなくなったタイミングでリザーブに切り替える操作がすぐできますが、そうではない車体の不調や乗り手の勘違いなどで急なガス欠を生じたときにレバーを直ぐに操作するのは至難の業ではないでしょうか。
「普通のライダーならそうした事態にも瞬時に対応できるものでしょ。」と言われればおとなしくしているしかありませんが、燃料計はもっと昔から普通についてて欲しかったと自分は思っています。
バイクに燃料計がなかった理由
昔からバイクには全部の車種でガソリンメーターが無かったというわけでもなく、ついてる車種にはちゃんと付いているものでした。
そして、バイク乗りの間でも「そんなの要らんだろ」的な風潮はあったようです。
思えば、ちょっと昔の農機具や360ccの軽自動車にさえ燃料計はちゃんとついていて、バイクだとそれがなくなるというのはバイクにとっての燃料計のもつ意味が特別だということがわかります。
リザーブタンクと走行距離計があれば燃料計は要らないという発想の他にも、付けることによってコストが割高になる、車重が重くなるといったことが考えられますが、標準装備することのメリットの方が優先されるべきとはならなかったのは不思議に感じます。
「セルスターター付いてたらキック要らね」に少し似ていてバイク界における多数派の意見というのは意外と解読の難易度が高めです。
燃料計の代わりに減りつつあるもの
この「バイクの燃料計欲しいよね論」に関しては、バイクのガス欠対策としてガソリンボトルなる製品が存在します。
この金属製のボトルは、過去にタンクをリザーブ側にしたままなのに気づかず走ってガス欠させた経験と山の中でリザーブタンクを使うようになりハラハラしたことなどから必要性を感じて購入したものです。
キャップを取ると細長い注ぎ口が内臓されていて逆向きにねじ込むことによって先が細くなりタンクに注ぎやすくなる便利な構造です。
ガソリン用に作られているため、メンテナンスや長期間の保管などでキャブからガソリンを抜く際の容器としても使えています。
この製品、国内のメーカーが作った日本製ですが昨今のインジェクション車両の増加が影響してかネット上での販売をあまりみかけなくなりました。
バイクにも車と同じように燃料計が付いていたら必要ないものなのかもしれません。
できれば自分のバイクにもガソリンメーターが欲しい
そんな最近のバイクのことを思うとつい自分のバイクにも社外パーツなどをつかってガソリンメーターを後付け出来ないかと、ふと考えてしまったところですが他のカスタムパーツに比べ実際にはそこまでして欲しいものではないと気づかされます。
当然、今さら感のほかに慣れてしまったのもあります。
そして、ここまできてハッと思い知らされるのはバイク好きな一人のライダーとして、燃料計が付いても特にワクワクしないということです。
ガソリンの残量がわかったとろでエンジンの鼓動感が増すわけではなく、はたまた走行時に流れる風景には何ら影響を持たらすこともないでしょう。
思えば、日本のバイクメーカーには世界各国で車両を供給してきた実績があり、バイクの装備にもグローバル的な価値基準があるとも想像できます。大げさだとしても世界のユーザーの声を参考に持ち合わせた開発者のセンスというのは少なからず影響することでしょう。
そんなことから想像できるのは・・
長い間バイクに燃料計が無かった理由:あってもワクワクしないから
正解ではないにしても180度間違ってもいないのではないでしょうか。
ガス欠を起こしてしまえば、バイクを押して歩くか誰かにトラックで取りに来てもらうかしなければならないことになります。
ちょっとの不注意で結構大変なことになります。
なのに、つい一昔前まで燃料計がないのが当たり前だったのは我々バイク乗りの価値観が影響したのかもしれません。
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