SR400生産終了の情報が耳に入ったのは、2021年の年が明けてまもなくこと・・(公式のアナウスは2021.1.21)。
いつまでも永遠にあり続けるものとして信じてきたバイクファンにとって正に衝撃的なニュースでした。
※最終モデルのファイナルエディションは記事執筆時点で既に予約が完売になっているようです。
SRに教わったバイクのスタイル
あのバイクは大きなバイク、小さなバイク、カッコいいバイク、好きじゃないバイク。
バイク歴が長くなってくると、バイクの大ざっぱな善し悪しの判断基準にSR400を取り上げることが避けられなくなってきます。しかも無意識に。
これはSRがバイクの基本形であると認め受け入れているためでしょう。
昔、オートバイといえばSRと似たような形をしたバイクばかりでした。
丸目のヘッドライトに、タンクとエンジン、ハンドル、シート、タイヤ二つを描けばバイクの絵は仕上がります。
今でも、バイクの基本イメージというのは一般にフルカウルのSSでもなくアメリカンでもなくSRに近い形のバイクのことではないでしょうか。
細かな一例をあげれば、オーソドックスな正立フォークに対して、特別な倒立フォークのサスがある。
ハンドルとシートの間にタンクを置くのが基本スタイルなのに対して、特化してるのがビジネスバイクでありスクーターである。
SRは、こうしたバイクの特徴というものに対してどれも忠実な構成を採用しています。
SRは空冷エンジンが最も輝いた時代のスタイルを受け継ぎ完成形として仕上がったモデルでした。
これが単気筒エンジンというシンプルなポリシーを持って世に放たれたのです。
変わらないことが良いことだった
2020年末にHONDAの4輪軽自動車N-ONEが基本的な外観を維持したままモデルチェンジをしました。
そして、当サイトの主役CB400SSも大きな仕様変更をされることなく(変わらぬまま)生産終了してから何年か経ちます。
良いモノは変わらないまま在り続ける。
ことSRは、そのことを堅く淡々とバイク界に知らしめ、私たちライダーも服従してしまう確固たる存在感でした。
けして大胆すぎず大袈裟ではなく自然に続いてきたSRの歴史です。
そして今日まで続くSRのスタイルは変わらぬまま引き継がれ、それと同時にバイク乗りが持つSRの価値観は長い歴史とともに少しずつ成長しました。
愛されるSR400の存在
バイク乗りの間でクルーザーやSSなど特定のジャンルのバイクを、あんなのはバイクじゃないと揶揄することがあっても、SRのことをバイクじゃないと皮肉る人は殆どいません。
SRはどのジャンルにも属さないSRというバイク。
思えばネイキットと呼ばれるカテゴリーは、バイクの歴史の中では割と新しいもので、SRというバイクはそこには当てはまらない確立した存在感とブランド価値を得ていると言っても過言ではありません。
もちろん空冷単気筒という括りでもSRは他を圧倒しています。
空冷単気筒エンジンの古き良き時代を味付けだけでなく、全てをそのまま継続し続けてきました。
SR400(500)には他に抜きんでた威厳があり、それを好んで所有しない者へも存在感を認めさせる権威性のようなものがあります。
これは同じ空冷単気筒に乗るライダーにとって讃えるべき事実です。
変わらぬスタイルとその誇りを語り継いできた唯一のバイク。
YAMAHA SR400は空冷単気筒界の巨塔であり、生産終了を迎えても皆に愛されるバイクであり続けることでしょう。
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