フロントフォークのオーバーホールに失敗しアウターの底に入っているボルトの頭を潰して(ナメて)しまったときの話です。
そんなときは、あきらめてバイク屋へ持ってくのが一番のお勧めですが、高いパーツをそっくり買い換えても良いと腹をくくれる場合の最後の手段はこうしてみるしかないでしょう。
※失敗するとアウターが使えなくなるので自己責任で作業ができる場合に限ります。
フロントフォークの構造
多少違うかもしれませんがエイプのフロントフォーク内部構造はこんな感じです。
舐めてしまった六角穴にドリルを立てる
このようなケースでは、ものによって逆ネジのタップを立てて逆ネジのボルトを入れて外すというやり方がありますが、アウターチューブが相手では作業性が悪すぎなので諦めます。
まず最初に、ナメてしまったボルトの頭にドリルを立てます。ドリルのサイズはボルトのネジ山部分の径と同じ(近い)ものを使います。このサイズの選定も結構重要です。
ボルトをどれだけ削ったかノギスで測定しながら進める
ボルトのねじ山部分と頭が分離しないギリギリまで削っていきます。
「危険な作業なのでアウター傷付けてもいいやという覚悟でないとできません」
このとき、削ったボルトの穴の深さをこまめにノギスで測りながら削ります、ワッシャーまで削れてしまった場合は分解はできますが作業が失敗の可能性ありです。
最悪の場合、組み立てたときにオイル漏れを起こします。
ボルトの頭が千切れる寸前まで削る
ノギスで測りながら薄皮一枚?0.3mmくらい(これは作業する人の判断)でしょうか衝撃を加えれば千切れるところまで削ります。
六角の穴を削り終わったらセンターポンチで叩く
ちょうど良い一歩手前まで削れたら、ポンチを当ててハンマーで叩きます、私の場合かなり強く数回叩きました。このボルト、アーレンボルトと呼ばれることもあるようですが、その六角の穴を丸いドリルで掘り下げたところで、センターポンチを入れてインナーチューブの奥に残った雌ネジ部分を叩き落します。
成功すればインナーとアウターが分離されます
うまく行けば、図のようにインナーが外れます。
作業は最初から全部ボルト側を上に向けて行いインナーを下に落とすようになりますので、叩くときは下にクッション代わりになるものを置いておきます。
外れた後ネジ部分が残りますがこの部分は長年オイルに浸っていた場所なのでプライヤー等でつまんで回せば外れると思います。
破壊したボルトは、ホームセンターでも買えそうな感じでしたが私はバイク屋さんから貰いました、ホンダの純正部品ではなさそうです。
作業は以上になりますが、難易度が高く成功率は低いと思われますので(こうなってしまわないように)オーバーホールは最初からバイク屋に任せたほうが無難とも言えます。
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