気温が低い日がつづき、つい放置してしまったバイクはすんなりエンジンがかかってくれないことがあります。とくにセルなしのキックスタート式のバイクだと真冬に汗だくなんてことにもなりかねません。
今回は、そんなプチ放置バイクを出来るだけ楽に始動させたい時に試したい対策についてのお話です。
新鮮な燃料を供給させる
キック始動させるバイクがキャブ車の場合に限っての話ですが、乗らない期間が長くなるとその分キャブレター内でガソリンの劣化が進むことになり結果として始動時に燃焼しにくいガソリンを使うことになります。
車種やキャブレターの形式にもよると思いますが、自分の経験では仮に放置期間が1ヶ月を超えてしまったケースでは初回のキックをする前に少量のガソリンをキャブのフロートチャンバーから抜き取ってタンクに戻すようにします。
乗らない期間と始動時のキック回数は比例するとか、そんなイメージってないでしょうか。どうせ長い間乗ってなくて数10回蹴ることになるなら最初からキャブレター内の古い燃料は入れ替えてしまったほうが良いでしょう。
効果のほどは車種によると思いますが、何も対策をせずただキック動作を繰り返すのは大変。
なお、ガソリンを扱うことになるので取り扱いには十分な注意が必要になります。乗らない期間が長くなると事前に分かっているようなら燃料コックはOFFにしておくのが良いでしょう。
事前にバッテリーを充電しておく
燃料について対策できたところで、始動のためにさらに有効な手段を求めるなら次はシリンダー内での着火の効率を上げるため安定した電圧を確保することではないでしょうか。
こちらも効果は車両の点火方式によりますが、CB400SSの場合はバッテリーが弱っていると始動性が明らかに劣ることになり寒い冬だとエンジンの始動に失敗すればするほど時間が経ちどんどんバッテリーが弱っていくことになります。
画像は今年シーズンはじめにCBへ取り付けた充電用のコネクタですが今月になてさっそく充電を試してみました。
結果は、放置後にありがちな鬼キックを回避できています。
燃料もバッテリー電圧もそうですが、性能が低下してしまった部分を回復させたうえで始動に臨むことが放置されたバイクをキックで回復させるコツと言えそうです。
あまり必死になってキックしない
ここまで、始動時の燃料とバッテリー電圧(蓄電量)について取り上げてみましたが、他に対策はないのかと言えばプラグ交換とか小手先の対策になるでしょうか。
旧車でエンジンがかからないとプラグのチェックも必要ではと思いがちですが、放置前に普通にエンジンがかかっていたのならプラグが始動できない原因かどうかは微妙なところです。
それよりも、放置期間が夏までさかのぼるなど、例えば最後に乗ったのが7月で8~9月の暑い期間にエンジンをほったらかしにした結果冬にエンジンがかからないとなると、それは寒さが原因で始動できないのではなく別に整備が必要なケースも考えられるでしょう。
それと、以前にも何度か書いていますがキックスタートのバイクはエンジンがスムーズに始動できないとき繰り返し続けてキックアームを蹴り下ろしたところで改善しないことがほとんどです。
20回も蹴ってかからないなら30回でも無理なのが普通だったりします。20回キックして始動できないなら家の中に戻ってコタツに入りコーヒー飲むなど休憩してから再びチャレンジするくらいの余裕があったほうがいいかなと思います。
一番いいのは交代しながら代わりに蹴ってくれる協力者がいると足への負担は軽減できるでしょう。
逆にこれはダメっていうパターンは、どうしても今出かけたいから早くエンジンかけなくてはと連続して蹴り続けてしまうこと。交差点でのエンストと同じで慌てているときにかからないのがキック始動。
それから、今どきキャブ車が希少であることを前提とするなら補足しなければならないことが一つありました。
冬季の始動時はチョークレバーを引いてエンジンをかけることになりますが、このときスロットルは基本全閉の状態でOKです。
エンジンがかかってからも回転数が安定してチョークを戻すまではスロットルは開けないほうが無難かと。
いずれにしても、これからの寒い季節はバイクに乗るのも大変、加えて始動させるのも大変となると冬はある意味ライダーがバイクに対して向ける熱量が測れる季節なのかもしれません。
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